輪島の味、美川で堪能 メギス汁 9月の祭で提供 漁獲減のサケ料理に代わり
●出張朝市も予定 9月22日に白山市のIR美川駅白山広場で開かれる美川里海きときと祭(北國新聞社後援)で、輪島の家庭料理であるメギスの団子汁が振る舞われることになった。これまでは美川産サケの振る舞い鍋を提供してきたが、サケの漁獲低迷で取りやめとなり、復興支援を兼ねて能登の味覚を楽しんでもらうことにした。当日は輪島朝市が出張開催される予定で、来場者が被災地に思いを寄せるイベントとしたい考えだ。 きときと祭では2年前から、美川のサケをPRしようと白山市美川商工会女性部がサケの振る舞い鍋を提供してきた。しかし、手取川を遡上(そじょう)するサケの漁獲量が昨年、過去最低の299匹に落ち込んだため、資源保護の観点からサケ料理を取りやめることにした。 代替メニューを考えていたところ、出張出店する輪島朝市側から、石川が全国トップの漁獲量を誇るメギスを使った団子汁を出してはどうかと提案があった。 28日までに開かれた試作会には、美川商工会の8人と出張朝市の2人が参加し、メギスの身をすりつぶして団子状に丸めて作ったすまし汁を味見した。同商工会の吉田善幸さんは「シンプルな味付けでメギスの味が引き立っている」と太鼓判を押した。 当日はメギスの団子汁600食を提供するほか、出張輪島朝市では漆器や塩、海産物などを販売する。美川地区の飲食店が考案したメニューなどを扱うブースが並ぶほか、県漁協美川支所によるマグロの販売会も開かれる。 出張輪島朝市の橋本三奈子事務局長は「輪島と美川はいずれも北前船の寄港地で、復興に向けて船が進んでいる気持ちになる。参加することができてうれしい」と喜んだ。