かごしま探求プロジェクト 県内8つの中学校で実施 生徒が考案 ”地域をよくするアイデア”とは?
鹿児島テレビ
10月の放送で鹿児島県内8つの中学校で行われている「かごしま探究プロジェクト」、通称「かごたん」の取り組みについてお伝えしました。 中学校と地元の企業がコラボして、自由な発想で地域をよりよくする新しい企画を考えようという取り組みです。 キーワードは「リソース」。 このリソースとは、人材や技術、自然など企業や地域が持つ資源、ポテンシャルのことです。 中学生の目線で企業や地域を見つめ直して果たして、どんなアイディアが生み出されたのでしょうか? 鹿児島市の長田中学校。 この日の「かごたん」の授業では、企画の立案に向けて中学生たちがアイデアを出し合っていました。 このクラスがコラボしているのは、鹿児島・宮崎でコンビニを展開する南九州ファミリーマート。 生徒たちが考えた“地域をよりよくする”アイデアとは? チームリーダー 長田中2年・櫻井蓮空さん 「(観光)案内所をつくる。まち全体が活気づいたり、ファミマのイメージアップや来客が増えたりしていいのかな…みたいな」 ファミリーマートに観光案内所を設置。 さらに店舗数が多いというコンビニの「リソース」を生かしてこんなアイデアも。 「ファミマからファミマの店舗にご飯を運ぶ時に一緒に、旅行バッグも有料で預かって運んでくれればいい」 企業の担当者にも聞いてもらいました。 南九州ファミリーマートの担当者 「すごいこと考えるね!空いたスペースを活用して、そういうものを運ぶのはすごいこと。そんなアイデアは多分ない」 褒め言葉をもらって自信がついた様子。 パソコンを使って具体的な企画にまとめていきます。 一方、隣の教室では大量の付箋を広げている机を発見。 ビルメンテナンスを行う南日本総合サービスとのコラボチームです。 チームリーダー 長田中2年・桑園もも花さん 「AIロボットで映画館を掃除するっていう映画館限定で考えていたが、これを街中に走らせて…ワクワクするような案はどうかなっていう感じ」 考える企画の費用面は、度外視! もっと“ワクワク”を追求するため、企業側もアドバイスをしながらアイデアを練り直すことにしました。 南日本総合サービスの担当者 「ものすごく現実的に9割方できあがっていたが、『ワクワクが足りない』というワードが結構出ていたので、じゃあどうしたら『ワクワク』するのかなと」 ちょっとしたきっかけでどんどん新しいアイデアが飛び出してきます。 チームリーダー 長田中2年・桑園もも花さん 「(内容が)とても変わった。想像力を働かせて考えたことで楽しい時間になったし、企業の方とお話できたことで、視野が広がったと強く感じた」 この授業から1ヵ月ほど経った日。 改めて教室を訪ねると、あの時のアイデアがしっかりプレゼン資料にまとめられていました。 ファミリーマートに観光案内所を設置するというアイデアは、「ファミマ旅ナビ」という企画に。 店内の図面や、荷物預かりの使用料。 細かな内容まで決め込まれていて、発表に向けての自信もたっぷりです。 「誰にも負けないように頑張っていきたい」 “ワクワク”を追い求めていたこのチームは…? 「ごみを掃除してくれるAIロボットを作ろうという案が出ていて、このAIロボットは・・・」 ※早送りで説明 あまりにも多機能の掃除ロボットを作る企画ができあがっていました。 「日頃から掃除が楽しく出来るような生活が目指せたら」 この「ワクワク」をどう発表で伝えよう。 真剣な様子で作業しています。 一方、紫原中学校をのぞいてみると、思ってもみなかった中学生たちのアイデアに出会いました。 KTSとコラボしているこのクラス。 聞こえてきたのは… 「ヘルメット祭」 KTSの「リソース」は、ヘルメット? いったいどういうこと? 「ニュースや中継でかぶってるじゃないですか。それをリソースにして考えた。ヘルメットを使って楽しいイベントを開催するのと、防災・防犯も広められるかな」 大人では考えつかない、中学生の自由な発想力です。 かごしま探究プロジェクト・手嶋州平代表 「『こんなこと考えた』『こんな企業のリソースに目をつけてくれたんだね』ということを、まず受け取ってもらえる体験が大きいと思っている」 自由な発想力を生かしてアイデアをめぐらせていく過程こそが「かごたん」の狙いです。 かごしま探究プロジェクト・手嶋州平代表 「大人も正解を持っていない。僕たちが出すアイデアがいいアイデアなわけではないので、まだ生徒たちの発想を広げる可能性も残しながら、一緒にワクワクして考えていけるためにはどういう問いを投げたらいいだろうと、悩みながら取り組んでもらっている」 固定観念にとらわれない生徒達のアイデアは、私たち大人をも巻き込んでこれからどんなワクワクする世界を切り開いてくれるのか、この先が楽しみです。 この「かごたん」、19日までにほとんどの中学校で校内発表会が行われ、そこで選ばれたチームは2025年2月の県大会に出場します。 KTSライブニュースでは今後、その模様もお伝えしていきます。
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