宮城野親方を「是が非でも追放したい」!?"白鵬イジメ"に見えた日本相撲協会の「意外な焦り」
元横綱・白鵬率いる宮城野部屋が7日、伊勢ケ浜部屋に引っ越しした。宮城野親方は元北青鵬の暴力問題で監督責任を怠り、2階級降格などの処分を受け、3月に大阪で行われた春場所では、宮城野親方が師匠を外され、伊勢ケ浜一門の玉垣親方(元小結・智乃花)が師匠代行を務めた。 美女と朝まで痛飲、酔ってファンへ「フォー!」…白鵬「はっちゃけ過ぎパリピ現場」写真 3月末に行われた理事会で宮城野部屋の伊勢ケ浜部屋への転籍が決まった。今回に限らず、相撲部屋の暴行問題はたびたび取りざたされてきたが、今回の宮城野部屋だけ“取り潰し”まで検討されたことに理不尽な“白鵬いじめ”の声も上がっている。夕刊紙記者はこう明かす。 「日本相撲協会のコンプライアンス委員会(青沼隆之委員長=元名古屋高検検事長)では『再生は不可能で宮城野部屋は取り潰すべき』という意見まで出ました。執行部は最終的には師匠(宮城野親方)と力士全員の伊勢ケ浜部屋転籍という処分を決めたのですが、過去の相撲部屋で起きた暴行問題の中で際立って重い処分になりました」 ◆宮城野親方より追い込まれているのは八角理事長⁉︎ 八角理事長(元横綱・北勝海)以下、相撲協会執行部がここまで目くじらを立てて宮城野親方を追い込むのには、意外な理由がある。 「実質5期目に入ったにもかかわらず、『ポスト八角』が誰になるか見えてこないことが関係しています。3月の春場所後に行われた今回の役員改選で協会執行部のNo.2である事業部長のポストに、大方の予想に反して春日野親方(元関脇・栃乃和歌)が決まりました。’11年に弟子をゴルフのアイアンで殴る暴行が問題になっただけに相撲協会関係者にとって驚きの人事でした」(前出の記者) 暴行がクローズアップされている中、過去に暴行問題が取りざたされた親方をNo.2に昇格させなければいけないほど、相撲協会は人材難ということなのか。前出の記者が続ける。 「過去の相撲協会の理事長は、ほぼ横綱もしくは大関経験者なのですが、今回選ばれた理事の中には芝田山親方(元横綱・大乃国)と浅香山親方(元大関・魁皇)しかいないんです。ただ芝田山親方は、八角体制のやり方に異議を唱えることもあって、広報部長から教習所長に配置転換され、いわば“左遷”といわれています。 人格者でもある浅香山親方は執行部での『要職』の可能性が期待されていました。執行部から宮城野部屋の転籍を打診されたようなのですが、浅香山部屋が手狭なためこれを断ったとか。結局、待っていた人事は『地方場所部長(福岡)』という、会社で言えば中枢ではなく外回りの“営業部署”の役職でした。 八角親方が退任した後に相撲協会のトップを任せられる後継者が今はいないに等しい状況なんです。したがって八角親方が定年後、すぐに宮城野親方が復興して理事に選ばれれば、近い将来、『宮城野理事長』の時代が来る可能性はあるでしょう。ただ、現役時代、最多の45回の優勝をしていますが、相手に張り手を見舞ったり、奇襲を仕掛けながら勝利を重ねる姿は従来の横綱像から離れており、八角理事長も苦言を呈することが多かった。今の宮城野親方は『理事に選ばれるのもふさわしくない』と感じているのだと思います。 今回の宮城野部屋の弟子の不祥事は起きてはならないことなのですが、『どこかでキツくお灸を据えたい』と思っていた相撲協会執行部にとってはある部分では“渡りに舟”で、厳罰につながった大きな理由だと思います」 弟子の不祥事が明るみに出る前、宮城野親方は「いずれ理事長になるんだ」という思いを周囲に漏らし、今回の役員改選で理事選に立候補する気だった。 「出馬は本気でしたね。角界No.1の選挙資金はあるのですが、如何せん投票したいと思わせる『人徳』がなかった。貴乃花親方が理事に出馬した際には、北の湖さんだけではなく、一門の元横綱・大鵬親方の後ろ盾がありました。宮城野親方にはお金はあるが、これがなかった」 決して一枚岩とはいえない、八角理事長率いる執行部に楔を打てると宮城野親方は感じていたようだ。 「宮城野親方本人は、最後は『過去最多の45回優勝という実績がモノを言う』と思っている」(大相撲担当記者) 宮城野親方は相撲界の一大派閥の一つ、モンゴル出身力士の中心人物だ。いずれ宮城野親方が復興し、かねてから目指していた理事長になれば、 「トラブルで相撲協会を追われた朝青龍や日馬富士との“パイプ”もまだあるので、その二人も戻ってくるのではないか」(スポーツ紙デスク)