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スキージャンプW杯で女子選手が表彰台独占/7位
1972年に開かれた札幌五輪では、日本の男子スキージャンプ陣「日の丸飛行隊」が70メートル級で金・銀・銅メダルを独占。それからずっとジャンプを見続けてきたが、51年後の今年、とうとう今度は女子ジャンプ選手たちによる表彰台独占が実現した。2月5日にドイツのヴィリンゲンで行われたワールドカップで、伊藤有希が優勝、丸山希、髙梨沙羅が2、3位となったのだ。髙梨、伊藤はこれまで個人でW杯の優勝などを重ねてきたが、2011-12年シーズンに始まった女子W杯で日本勢がトップ3を占めたのは初めてで、ジャンプ界が湧いた。 すでに始まったW杯2023-24シーズンでも伊藤選手が優勝。男子も北京五輪金メダリストの小林陵侑が表彰台に立っている。W杯は女子27戦、男子32戦の長丁場で、3月下旬まで続く。私はまずは2月の札幌・大倉山での男子21/22戦から観ようと思っている。その日のために用意してある冬山ビバーク用の防寒衣類を着込んで。
景色が違った陸上1万メートル日本選手権/8位
12月10日に行われた陸上1万メートルの日本選手権は、昨年5月に同じ国立競技場で観たレースとは大きく様相が違っていた。 特に男子。上位3人がそれまでの日本記録を更新するという、稀に見るハイレベルのレースだったのだ。順位の駆引き優先となることの多い(特に国内の)長距離レースでは、なかなかこういうことはない。優勝した塩尻和也の上半身に無駄な力がいっさい入っていない走りは見事で、日本記録を約9秒、自己ベストを35秒以上も塗り替えて見せた。 それに大きく寄与したかもしれないポイントがふたつあった。ひとつは、気温の比較的低い12月の開催であったこと。ちなみにパリ五輪の同種目は真夏の8月のレースとなる。もうひとつが、初めて導入された「電子ペーサー」だ。近年、マラソンなどでは記録アップのため先導ペースメーカーを何人か走らせることが一般的になったが、この日は、トラック内周のすぐ内側に1メートルおきに埋め込まれた400個のLEDライトが、五輪参加標準記録ペースなら赤、日本記録ペースなら青といった具合に、設定ペースに合わせて選手たちの横で点滅する光の流れとなり“伴走レース”を展開したのだ。陸上競技でこんな光景を見るのは初めてだった。そこまでやるのかと賛否はあるかもしれないが、さっそく好記録が生まれたことで、反対論も払拭されそうだ。
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