「キモカワイイ」の先へ、アンガールズ田中卓志が「求め続けられる」理由
「ネタを競う番組って当然“敗者”が出て、面白くなかったというふうに映りがち。でも、敗者もものすごいいいとこがあったり、面白いとこがあったりするから、じゃあ俺は、『ここはお客さんに伝わってないかもしんないけど、絶対面白かったし、あそこはすごかったよ』というようなことを言おうと。まず大会に出ることって、芸人にとってものすごい負担がかかるし、大変なことだから、ちょっとでも得して帰ってもらいたいって思うんです」
周りの人と一緒に面白くなれるっていうのが40代からの仕事
デビューしてわずか2年ほどで「ジャンガジャンガ」がヒットして、アンガールズは一気にブレイクした。だがすぐに売れてしまったため、周りは先輩たちばかり。まだ実力も経験もなかった彼らは苦しんだ。 「1~2時間の収録で1回くらいしか喋ってないみたいなことがあったり、どんズベりしたりしてたから、やめたくなったこともありましたよ。最初のころはスベったとき、恥ずかしすぎて逃走するように帰ったり、スタッフさんに話しかけられないようにガン飛ばしたりしてたんです。でも、あるとき、自分たちはスタッフさんと仕事してるんだっていう当たり前のことに気づいたんです。一緒に協力して作ってるんだって。それを意外と気づけないで仕事を失っていった若手芸人が結構いる」
だから番組アンケートもしっかり締め切りまでに書く。アンケートさえちゃんと書けば、それが台本に反映され、必ずそこで打順が回ってくる。発言する権利を得られるのだ。そして実際に出演すれば、毎回反省をしてマイナーチェンジを繰り返していく。 「現場で起こったことを全部、家で反芻して、こういうことがあったからこうだよねって答えが出ないと眠れない時期がありました。一応答えが出たら、すごくよく眠れるんです。同じエピソードトークをするときも、導入を変えたりとか、最後にもう一押しを加えたり、受験勉強と一緒の感じで。初めて出る番組は必ず1回見て予習して、出た後は復習する。それが正解かどうか分かんないですけど、やってました。だって先輩方はみんな天才。少しでも近づくためには勉強するしかない。先輩方がどんなふうに考えてテレビに出てるのかって、意外と聞けないから」