S&P500は高すぎる?「今は高値圏」と市場が意識するワケ
8月上旬に暴落した米国株。S&P500など「株価の高さ」を市場は意識している。ただし、AIの動向によっては大きく上昇へと転じる可能性も(写真:ブルームバーグ)
世界の株式市場の注目を一身に集めたエヌビディア(NVDA)の2025年1月期第2四半期(5~7月)決算が8月28日に発表され、内容は良好だった。 5~7月期実績は売り上げ・EPS(1株当たり利益)とも市場予想を上回り、8~10月期(2025年1月期第3四半期)決算の売上ガイダンス(会社の業績見通し)も325億ドル±2%と、中央値は事前のコンセンサス予想318億ドルを上回った(最新の ドル円相場はこちら です)。 しかし、今回の決算発表で昨年5月以来続いたような売上ガイダンスの高さに対する「驚き」は乏しく、株価は翌日に6%超下落するなど市場の反応もこれを反映した。当面、昨年来の株価上昇に対する値固めとなる可能性が高いだろう。 一方、今回の決算での注目点としては、会社が示した「データセンター向け売り上げのうち、クラウドサービス事業者(アマゾン・ドットコム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、アルファベット<GOOGL>など)の占める比率は約45%」が挙げられる。同分野の売り上げの半分以上は、クラウドサービス事業者以外の消費財企業、インターネット企業、その他の大企業向けということだ。 つまりAI利用が幅広い産業へ広がりつつあることがうかがわれ、AI市場の先行きの明るさを示すものと言えよう。エヌビディアが「Fortune100企業のほとんどとAI分野の協働に関して話をしている」と言及したのも、同様の意味で注目される。
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榮 聡