“2年連続”マーチングバンド全国大会出場 「今度こそ、大隅に金賞を!」鹿屋小学校金管バンドの強い思いは後輩へ
鹿児島・鹿屋市にある鹿屋小学校の金管バンドが2024年12月、第52回マーチングバンド全国大会に出場した。鹿屋小の出場は2年連続。前回は銀賞に終わり、さらなる高みである金賞を目指し大会に挑んだ。 【画像】全国大会「金賞」を目指し出発前も練習を重ねた
2年連続で“全国大会出場”の快挙
鹿児島県の大隅半島にある鹿屋市は、人口約10万人で、県内で3番目に人口の多い都市だ。農業や漁業が盛んで、黒豚やカンパチ、落花生などの特産品がある。鹿屋小学校は市のほぼ中心部にあり、全校児童は約500人。創立156周年の歴史を誇る。 週3日、放課後にマーチングバンドの練習に励むのは2年生から6年生までの37人。 「難しいところもあるが、みんなと曲や動きを合わせるのがとても楽しい」「音楽が大好きで『やってみよう』と思い、チャレンジしている」と話す元気な子供たちだ。 「楽器を上げる時、いつ上げるの?そろっていない。もう1回いきます!」と練習場に響く声。 指導する米永聡子先生は、2022年4月に鹿屋小に赴任した。これまで勤めた学校で児童を何度も全国大会に導いた輝かしい経歴を持つ。 2024年9月、鹿屋小金管バンドは、鹿児島市で開かれた「第43回かごしまマーチングフェスティバル」でパフォーマンスを披露した。 テーマに選んだのは、世界的に有名なオペラ「カルメン」(ビゼー作曲)。情熱の国・スペインが舞台のストーリーを、伸び伸びとした動きで見事に表現し、観客を魅了した。 そして11月。長崎県で開かれたマーチングバンド全国大会の九州予選に県代表として臨み、金賞を獲得。これにより12月14日に埼玉県で開かれる全国大会への切符をつかみ、2年連続全国大会出場という快挙を達成した。
保護者の応援に「演奏で返したい」
12月初め、鹿屋市にある商店街のイベント会場には、保護者らの姿があった。 大人数での全国大会出場。加えて楽器も運搬しなければならず、遠征には多額の費用がかかる。 そこでオリジナルタオルなどを販売し、売り上げを全国大会の旅費などに充てるのだ。 金管バンド保護者会の村上由江会長は「たくさんのみなさんの力を頂いて、37人の部員全員そろって全国の舞台へ連れて行ってほしい」と願いを込めた。 全国大会で披露するのはこれまで練習してきた「カルメン」。そして、前の年より1ランク上の「金賞」を狙う。 学校を訪ねると、メンバーは演奏やフォーメーションの完成度をより高めるべく、練習に励んでいた。 部長の福留宙河さんは「自信はある。みんなやろうと思ったらちゃんとやってくれて。今のメンバーなら、絶対に金賞は取れる」とコメントしてくれた。そして、「保護者会の方が、私たちのために募金活動を一生懸命頑張ってくれていて、その頑張りを演奏で返したい」と、感謝も忘れていなかった。 米永先生は「練習を通してうまくいかないところもあったと思うが、仲間と一緒に力を合わせて教え合いながらやってきたことを、自信につなげてほしい」と本番への期待を語った。 大会前日の12月13日、メンバーは朝の飛行機で鹿児島を出発。羽田に着くと早速、東京都内の体育館で練習し、翌日の本番に備えた。