なぜ、愛知県の給食費無償化は進まないのか?みよし市が中学生以下は“完全無償化”へ、広がる地域格差に“値上げ”の自治体からは苦渋の声「国の補助金などがあれば助かるが…」
愛知県みよし市で、中学生以下の給食費を完全に無償化する動きが加速している。みよし市の子育て世代から喜びの声があがる一方、給食費の“値上げ”に踏みきった自治体も。なぜ、愛知県の“給食費無償化”は進まないのか。
みよし市が“中学生以下”の給食費無償化へ
2024年9月9日、愛知県みよし市の市議会で、“給食費無償化”を補正予算案に盛り込む議論が始まった。 可決すれば、公立・私立に関係なく、市外に通う子も含めた“中学生以下”のすべての子どもたちの給食費が無償化。みよし市の市民は、小学生は年間5万9,400円、中学生は年間6万7,320円となる給食費を、今年4月までさかのぼって、市に負担してもらえることになる。
これまで、給食費の無償化を段階的に行ってきたみよし市。本取り組みについて、小山祐みよし市長は、「公私の区別なく、所得制限なく、すべての子どもたちの給食費を無償化をしていくという内容となっています」と語る。 家計に嬉しい、給食費無償化。みよし市民からは“さすみよ”という、「さすが みよし市」を略した造語が生まれるなど、子育て世代からも大きな期待が寄せられている。
3歳の子をもつ母親は、「みよし市は子育てに支援に力を入れてくれている。頑張ってくれてると思います」と評価。また、小学4年生と5年生の子をもつ母親は、「やっぱり子育ては、みよし市がいいなと思って、みよし市に家を買って戻ってきた。戻ってきてよかった、正解だなって思います」と話した。
子育て世代「県全体で取り組んでほしい」
一方、給食費が無償化となっていない名古屋市。子育て世代からは、みよし市の取り組みに対して羨望の声が挙がっている。 4歳の子をもつ母親は、「(みよし市の取り組みを)知らなかったです。めっちゃいいなって思います。その(給食費)分が浮くんだったら、例えば習い事に回したりとか、教育費に回したり選択肢は増えるかなって」と、無償化によって“浮くお金”の使い道に思いを馳せた。
小学4年生と中学3年生の子をもつ母親は、「名古屋市もそうなってもらえれば、ありがたいかなと思います」と話し、続けて「平等の方がいいですよね。やっぱり批判も出てくるだろうし。難しいと思いますけど」と心境を明かした。また、小学2年生の子をもつ母親は「できれば愛知県全体で、(中学生以下給食費無償化)の方針が出ればうれしいですけど」と県全体で取り組むことに期待を寄せた。