小学生チームを「完全学年別」にする利点とは? 縦関係希薄も…控えに現れる“兆し”
全国出場の6年生とはタイプ異なる5年生…模索する“縦の繋がり”
学年によってチームカラーも異なる。全日本学童大会に出場した6年生チームは「10点取られたら11点を取り返す」をモットーに、強力打線を形成。県大会6試合で99得点、打率.429、20本塁打と打ちまくり、全国の舞台へと駆け上がった。一方で、5年生チームは「練習の8割は打撃練習」としながらも、守備力をしっかりと鍛えながら、接戦を勝ち抜くことを理想としている。 「その学年ごとに話し合って方針を決めているので、チームワークが生まれます。6年生は勝利にこだわっていますが、5年生はもちろん勝利を目指しますが、より経験も大切にしています。野球を好きになってもらうというのがスローガンですね」 今後は、保護者も含めて他学年同士が関わることのできるイベントの開催を模索中。チームを1つにするため、縦のつながりを生むアイデアを出し合っている。 「山野ガッツという名前ですけど、学年によって別の名前のようなチームというのは、メリットでもありデメリットでもあると思います。昨年は6年生と5年生で試合をやったりしましたが、いい経験だと思うし、今後もそういったことができればと思っています」 単に“バブル”に乗っただけではない。半世紀以上の歴史を持ちながら、伝統にとらわれず、柔軟な考えで時代に即した改革を推し進める。だからこそ、山野ガッツには部員が集まってくる。
内田勝治 / Katsuharu Uchida