ロシア、欧州インフルエンサーの操作試み フランスが指摘
【AFP=時事】フランスは18日、ロシアがフランスなど欧州諸国のインフルエンサーの操作を試みているとして非難した。ロシア政府が採用するデジタル干渉戦術は多様であり、急速に進化しているとも指摘している。 【写真】ジョージアで大規模デモ、議会選の不正疑惑で抗議 グレタさんも参加 ロシアによる偽情報拡散疑惑に対する懸念は、ドナルド・トランプ次期米大統領が初めて勝利した2016年大統領選以来高まっていたが、ロシアがウクライナに全面侵攻を開始した2022年以降はさらに強まっている。 フランスのジャンノエル・バロ外相は議会外交委員会で、「ロシアがフランスを含む欧州諸国のインフルエンサーを操ろうとしていることを裏付ける証拠がある」と述べた。 これに先立ち日刊紙ルモンドは、フランスなどで大勢のインフルエンサーが、ロシア大統領府(クレムリン)に近い人物から親ロシアのプロパガンダを広めるようアプローチを受けていたと報じた。 フランスは、国外から「異なる複数種」のデジタル干渉の標的にされているとバロ氏は主張した。 「採用されている手法はさまざまで、急速に進化している」と指摘。モルドバとルーマニアで最近実施された選挙を例に挙げ、X(旧ツイッター)をはじめとするソーシャルメディアのインフルエンサーを大勢利用して選挙を妨害していると説明した。 11月のモルドバ大統領選では、親欧州派のマイア・サンドゥ大統領が親ロシア派の対立候補に勝利した。 だが、ルーマニア大統領選の第1回投票では、親ロシア派の極右候補カリン・ジョルジェスク氏が予想に反して首位となった。 ルーマニア憲法裁は後に、「複数の不正行為」によって選挙プロセスが損なわれたとして、この結果を無効と判断した。 欧州連合(EU)は17日、ロシアがルーマニアの選挙結果を操作するために動画投稿アプリのティックトックを利用したとの疑惑を受け、同プラットフォームの正式な捜査を開始した。 ルモンド紙は仏情報機関の関係者の話として、欧州のコンテンツ制作者2000人以上にロシアからの接触があったと報じた。 「そのうちフランス人9人を含む約20人が、ロシアとの取引を受け入れた」という。 バロ外相は「捜査が進められている。コンテンツ制作者とその利用者に対し、こうした脅威に特に強く警戒するよう呼び掛ける」と警告した。【翻訳編集】 AFPBB News