心がとろける「東洋の美」てんこ盛りの殿堂が大阪中之島に改装オープン!
4月12日にリニューアルオープンを迎えた大阪市立東洋陶磁美術館。中国・韓国陶磁を中心としたコレクションは、世界第一級の質と量を誇る。また、その歴史的な背景も、何とも大阪的。道頓堀や大阪城もいいけれど、東洋陶磁美術館を訪れんと、大阪に来た甲斐がないというもんよ。心がとろける優婉閑雅(ゆうえんかんが)な作品の数々を、思う存分味わってみて。 オイルがすべて! 米大統領選を決める石油価格で、中東もウクライナも動く 中之島界隈は、大阪の中でも最も緑豊かで美しい地域のひとつだ。堂島川と土佐堀川に挟まれた東西約3キロの細長い中州・中之島には、大阪市中央公会堂や大阪府立中之島図書館、日本銀行大阪支店などの歴史的建造物に加え、国立国際美術館や大阪中之島美術館、中之島香雪美術館、大阪市立科学館(2024夏リニューアルオープン)や大阪出身の建築家、安藤忠雄氏が設計し寄贈した図書館「こども本の森中之島」など、様々な文化施設やオフィス、商業施設が集結している。言わば、大阪の文化集積地帯、やね。 その中之島のシンボル、中央公会堂に向かい合うように建っているのが、大阪市立東洋陶磁美術館。外壁は常滑(とこなめ)焼のタイルで装飾され、銅板葺(ぶ)きの屋根のてっぺんには、中国・唐三彩の水注(すいちゅう)を模倣したオブジェがあしらわれている。 今回のリニューアルで、高さ7メートルのガラス張りのエントランスホールが増築された。四隅に柱がないので、何とも開放的。建物の中にいながら外にいるようで、中之島公園の景観を最大限に楽しめる。春と秋にはバラもガラス越しに見ることができるやなんて、最高やないですか? 現在、特別展「シン・東洋陶磁MOCOコレクション」を開催中[9月29日(日)まで]。シン・ゴジラならぬ「シン・東洋陶磁」を体感すべく、オープン初日にいそいそと出掛けた。
国宝2件、重要文化財13件 計380件からなる珠玉のコレクション
「天下無敵」「翡色幽玄」「清廉美白」など、第1室から第13室まで漢字四文字のタイトルが付けられた今回の特別展。学芸員の皆さんが頭をひねって考えられたんかな、と想像して喜ぶ。 今回の特別展では、「安宅(あたか)コレクション」や「李秉昌(イ・ビョンチャン)コレクション」など、驚くほどのお宝が大放出。同館のヴィーナスと呼ばれる加彩婦女俑(かさいふじょよう)(唐時代・8世紀/住友グループ寄贈/安宅コレクション)や、重要文化財・木葉天目茶碗(このはてんもくちゃわん)吉州窯(南宋時代・12~13世紀/住友グループ寄贈/安宅コレクション)、青磁陰刻牡丹文輪花形盤(せいじいんこくぼたんもんりんかがたばん)(高麗時代・12世紀前半/李秉昌博士寄贈)など、多々ある名品の中から、私の独断と偏見で数点のみご紹介する。