F1テスト走行で見えてきたレッドブル・ホンダとトロロッソ・ホンダ“2つのホンダ”の現在地
2019年のシーズン開幕へ向けたプレシーズンテストが、2月18日からスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで開始された。 今年からトロロッソに加えて、昨年のランキング3位のトップチームであるレッドブルにもパワーユニット(PU)を供給するホンダ。再び栄光を取り戻すためには、今回のテストはいつも以上に重要な意味を持つ。 そのテストで、ホンダは2015年のF1復帰以降、最も多い957周というラップ数を走行した(表1参照)。もちろん、これは1チームから2チームに供給数が増えたためでもあるが、トロロッソだけを見ても、昨年の1回目のテストの周回数は324周だったのに対して、今年は482周。昨年は3日目に雪が降って事実上、中止となったことを考慮しても、昨年を158周上回る482周という結果は、信頼性が大きく向上したことをうかがわせるに十分な数字だ。 また今年からパートナーを組むレッドブルも、1回目のテストではトロロッソとほとんど同じ475周を走り込んだ。日進月歩どころか、分進秒歩で開発合戦が繰り広げられているF1の世界では、トロロッソの482周だけでなく、同時に手に入れたレッドブルの475周というデータも非常に貴重なものとなる。 ホンダのF1テクニカルディレクターを務める田辺豊治は、1回目のテスト後、こう評価した。 「ホンダにとってはF1復帰後初めて2チームにPUを供給して迎えたテストとなりましたが、4日間を通してPUに大きなトラブルはなく、2チームともに順調にプログラムを消化することができました。今回得られたデータを十分に解析し、2回目のテストに臨みます」 現在のF1は、1シーズンを通してペナルティなしで使用できるエンジンは年間3基までとなっている。今年は全部で21戦あるため、単純計算で1基あたり7戦使用しなければならない。グランプリにはレース以外に3回のフリー走行と予選がある。テストが行われたカタロニア・サーキットで開催されるスペインGPを例にとると、週末に150周程度走行しなければならない計算となり、7戦分というのは1000周となる。つまり、482周という周回数は、7戦分の信頼性を考えると、まだ半分。 とはいえ、マクラーレン・ホンダ時代に散々泣かされた信頼性不足は、もはや過去のものとなりつつあることは間違いないだろう。 信頼性は大きく向上したが、性能面はどうか? 4日間のベストタイムの総合成績を見てみよう(表2参照)。