56歳の元競輪選手がキッチンカーに挑戦 “盟友”のGPレーサーがセカンドキャリアに密着「人を笑顔にする天才」
netkeirin連載コラム『不屈の男・金子貴志の奮闘記~40代の挑戦~』
Yahoo!ニュースをご覧の皆さんこんにちは、金子貴志(49歳・愛知=75期)です。 今回は2024年の振り返りと、盟友である山田二三補さん(64期・引退)のセカンドキャリアについて書いていきます。
7月にA級降格、少しずつ手応え掴めた1年
振り返ればあっという間の1年でした。7月からは久しぶりのA級戦を走っています。S級とA級ではスピードも駆け引きも違うので不安がありましたが、走っていくうちに対応できるようになり、1着を取ることもできました。 先日の地元・豊橋ミッドナイトでは決勝2着となり、A級で走り始めてから最もよい結果を残すことができました。岩井芯君がとても強く、堀兼壽君は自分も自力選手であるうえに岩井君と同県なのに初日から「番手を回ってください」と言ってくれました。初日は断って3番手を回りましたが、決勝では堀君が「どうしても前を回ってほしい」ということを言ってくれて、その気持ちがとても嬉しく、岩井君の番手を回らせてもらいました。さらに4番手を地元の村上卓茂君が回り、中部でまとまって地元を盛り立ててくれたのが嬉しかったです。中部の絆がより深まった開催で、今後のレースでもラインでの役割をしっかり果たせるように日々の準備を欠かさず、力に変えていきたいです。 腰痛との付き合い方も少しずつわかってきて、ケアと練習の方法が定まってきました。ウエイトトレーニングの成果も出てきて、いろんなことが良い方に噛み合ってきたように感じます。苦しんだ時期があったからこそ視野が広がり、冷静な判断もできるようになりました。 25年後期のS級点には少し届かなそうですが、中盤で下げてしまった点数を地元で巻き返すこともできて、いい勉強になったとプラスに捉えているので来年が楽しみです。今年得た経験を活かして、来年はデビューした新人の頃のような気持ちで頑張りたいと思っています。
盟友・山田二三補さんのセカンドキャリア
11月に私の盟友・山田二三補さんがキッチンカーをオープンしました。豊橋競輪場でおなじみのキッチンカーの『輪蛸』さんに弟子入りして、営業を受け継ぐことになったのです。 以前からこのコラムやYouTubeに出てもらっている『輪蛸』の神村さんは「山田さんがやってくれるなら」と快く仕入れから作り方、データまで、キッチンカーの営業に必要なすべてを山田さんに託してくれました。修業中は毎日たこ焼きを焼いてもうまくいかず、苦戦していたそうです。オープンまでの時間も少なく、11月はほとんどの時間を準備に割いていました。 56歳にして未経験の分野に挑戦するのは凄いことです。もともと安定した仕事に就くことも考えていて、難しい決断だったと思います。そして“セカンドキャリア”としてキッチンカーを選んだ山田さんは弱音を一切吐きませんでした。 選手時代も引退の危機にさらされながらデッドリフトを2年間続け、快進撃を演じた努力家で、“継続は力なり”を体現した山田さん。外食産業は厳しい世界と理解しながら、新しい世界へ漕ぎ出しました。