【ラグビー】日本、難敵サモアにともに最多記録の49得点、22点差で快勝 車いすラグビー金の池主将から刺激
◇15日 ラグビー アサヒスーパードライ・パシフィックネーションズカップ2024準決勝 日本49―27サモア(秩父宮ラグビー場) 日本が7トライを奪い難敵サモアに49―27(前半28―13)で勝った。通算対戦成績は日本の7勝12敗。49得点と22点差はともにサモア戦の最多新記録。日本は決勝進出が決定。フィジーとの決勝は21日、大阪・花園ラグビー場で行われる。 エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)就任以来、消化不良の戦いを続けていた日本代表が、難敵サモア相手に会心の勝利をあげた。 主役は9年ぶりに代表SOで先発した立川理道主将(東京ベイ)と、前戦までのSOからFBに回った李承信(神戸)のダブル司令塔だ。前半6分に李の絶妙なキックパスからCTBライリーが先制トライ。16分には相手DFを見切った立川のキックパスでWTB長田がトライ。さらに李は自らトライをあげ、後半も好キックでFW下川のトライにつなげた。 「外側の攻撃でキックをどう使うか、試合中に良いコミュニケーションが取れた」と李。立川とともに相手の陣形を読む判断力と情報を共有するコミュニケーションが、過去6勝12敗という難敵相手の大勝を呼んだ。 「立川は常に落ち着いて判断して、チームに良い影響を与えてくれる。李は試合を重ねて成長した部分を見せてくれた」とエディーHC。 完勝の理由はもうひとつ。試合前日、パリパラリンピックで金メダルに輝いた車いすラグビー日本代表の池透暢主将が宿舎を訪問。19歳のとき交通事故で片脚を失い大やけどを負い、友人を失った中から希望を見つけ、金メダルを獲得するまでの物語に全選手が耳を傾けた。この日はその池主将が試合を観戦した。 「何事も当たり前じゃないと改めて学べた。今日の試合でも、選手みんなの意識にいい影響があったと思う」と立川。前戦まではミスが次のミスを呼ぶ悪循環が見られたが、この日のジャパンはナイーブさと決別。望んだシナリオが崩れても、ハードワークを続けて未来を切り開く。タフさを身に付けたジャパンが、次週は優勝のタイトルをつかみにいく。
中日スポーツ