草刈り困難世帯を支援 「お助け隊」が活動開始 龍江一区新地常会【長野県飯田市】
高齢や体調不良のため、草刈りができなくなった家庭を支援する「お助け隊」が長野県飯田市龍江一区の新地常会(16戸)で発足した。お盆前の11日には帰省客を含む14人が出動。自前の草刈り機やトラクターを使い、畑を覆っていた雑草を刈り払った。 高齢化が進み、独り暮らしの家庭が増えつつある中、困っている世帯を手助けすることで荒廃地をなくし、コロナ禍で途絶えたコミュニケーションを活発にしよう―と、常会内に住む宮脇正博龍江地域づくり委員会会長(70)の提案でこのほど組織化。宮脇さんが初代隊長に就いた。 作業の依頼は常会が連絡網として利用しているSNSグループか電話などで行い、隊長が面積に応じて必要な人数を招集。隊員には原則として、1時間あたり1000円を目安とする作業料を支払う。 農機具の燃料は個人負担。隊員への飲み物、食事の提供は「不要」と規約に明記することで、依頼する側の心理的な負担も軽減している。 新地常会にはエリア外に住む人が所有する田畑もあるため、依頼があればその分の草刈りも請け負う。 11日は、富山県から帰省した若者を含む老若男女が午前7時から草刈りに励んだ。お盆前の忙しい時期とあって、途中で抜ける隊員も少なくなかったが、1時間ほどでおおむね刈り終えた。 作業を依頼した75歳の男性は「今まで1人でやっていたが、病気でいよいよできなくなった。本当に助かる」と感謝していた。 宮脇さんは「16戸の小さな常会だからできることかもしれないが、『新地お助け隊』の活動が、地区全体で環境整備を考えるきっかけになれば」と話し、地区外に住む土地所有者への協力要請も視野に入れている。 常会長の松下芳彦さん(67)は「みんなで協力して住みよい地域づくりを進めていきたい」と話した。