転換期を迎える琉球ゴールデンキングス、安永淳一GMが語るチーム作りの哲学(後編)「選手の力だけに頼っているクラブでは先がない」
「ずっと勝ち続けられているのは、チームで戦うカルチャーを大切にしてきたから」
――メンバーが徐々に変わっていき、特に日本人選手ではチーム在籍年数が少ない選手たちも増えています。その中で、これまでキングスが培ってきたカルチャー、アイデンティティーはしっかりと受け継がれていると感じていますか。 そこはしっかりと引き継がれていると思います。例えばコーチ陣を見れば長年いるメンバーだけでなく、昨シーズンから加入した穂坂健祐コーチも、キングスの強さとはどういう部分であるべきかを常に考えてくれています。全員がキングスはこうあるべきというのを語り合えるチームになっています。あの時はこういう優れた選手がいたから勝てた、という一過性のチーム作りにはなっていない。カルチャーがどんどん浸透している手応えはありますし、新しい選手、コーチングスタッフにそれを正しく理解してもらうことが大切です。 ――あらためて新シーズンにおけるテーマを教えてください。 磨くこと、です。もっと自分たちを磨いて、さらに輝くことができると信じています。これは選手に限らずコーチングスタッフ、球団職員とキングスに関わる人、すべてが対象です。誰もが輝くクラブになることで、より皆さんに応援したいと思ってもらえるようになれる。キングスのカルチャーとして、みんなが輝くチームにしていきたいです。 ――ロスターを11名で迎えることを踏まえた上で、ファンへのメッセージをお願いします。 長年に渡り、キングスが上位争いできているのは、チームで戦うカルチャーを大切にしてきたからです。「沖縄をもっと元気に!」という活動理念を元にチームが1つになることで、選手が大きく入れ替わったり、指揮官が変わっても結果を残せてきたと思います。最近、特にNBAでは勝つために選手を連れてきて、その選手のためにチームのやり方を合わせるところが多いです。もしかしたら、我々は古いスタイルかもしれないですが、キングスはチームとしてやりたいことをみんなで協力して遂行することを大切にして戦っていきます。そのためにも個々をもっと磨いていくシーズンにしていきたいです。
鈴木栄一
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