トランプ氏勝利なら、メキシコ工場の投資計画見直す必要も-ダイキン
(ブルームバーグ): ダイキン工業の竹中直文社長は6日の会見で、米大統領にトランプ氏が返り咲く可能性が高まる中、メキシコからの輸入品に大きな関税がかかることになれば、同社のメキシコ工場の投資計画を見直す必要があると述べた。
竹中氏は、業務用大型空調製品は米国とメキシコで並行生産していると説明。メキシコから米国に輸入している分もあるとして、トランプ氏の関税引き上げ意欲に対する懸念を述べた。また脱炭素に向けた取り組みにもブレーキがかかる可能性があるとの見方も示した。
ホンダの青山真二副社長も同日、決算説明会で、同社はメキシコで生産する年間20万程度のうち8割程度を米国に輸出しているとし、トランプ氏により関税対象になれば「非常に大きな影響」になると話した。
ただ、米ゼネラル・モーターズ、フォードや他の日系自動車メーカーも同じ状況で、すぐに関税が課されることはないとの見方を示した。いずれの会社も即時にメキシコでの生産をやめることは難しく、ロビー活動などを通じて働きかけを行っていく考えだという。恒久的な関税が課されることになれば、米国内や関税対象とならない国での生産に切り替えることを中長期的には考える必要があると説明した。
トランプ氏は大規模な関税を課すことや、石油や天然ガスの増産支援などを公約に掲げる。トランプ氏が選ばれ、日本にとって最大の輸出相手国である米国で関税が引き上げられれば、自動車業界などを中心に影響を受ける可能性が高い。
トランプ氏は大統領在任中の2017年、トヨタ自動車にメキシコ工場の新設撤回を要求するなど、企業への口先介入も相次いだ。今回の選挙戦では、日本製鉄によるUSスチール買収を阻止すると表明。日本企業にとっては、米国事業のかじ取りが難しくなりそうだ。
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Yuki Furukawa, Tsuyoshi Inajima