三菱自動車 加藤隆雄社長、日産&ホンダとの経営統合に向けたコメント 「うまくいい方向に進んでいただくことがわれわれの願っていること」
三菱自動車工業 取締役 代表執行役社長 兼 最高経営責任者の加藤隆雄氏は1月10日、幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開幕した「東京オートサロン2025」の同社ブースで報道陣の囲み取材に応じ、日産自動車と本田技研工業、そして三菱自動車の経営統合に向けた協議についてコメントした。 日産とホンダは2024年12月23日に両社の経営統合に向けた協議・検討を開始。同時に、三菱自動車は参画・関与およびシナジー享受する可能性について検討することに合意した。 12月23日の会見において、加藤社長は日産とホンダが経営統合に向けた協議を開始する決定をしたことを歓迎すると述べるとともに、「3社のシナジーを深化、最大化していくためにどのような参画の仕方がベストかを検討し、25年1月末をめどに結論を出したい」と述べていた。 以下、加藤社長の囲み取材でのコメントを記す。 皆さんの関心事項だとは思いますが、私から申し上げておきたいのは今回、やはり日産さんとホンダさんがどういう風にされるのかというところがまず最初にありきなので、われわれの対応というのは当然そういうことを踏まえて決めていくことになります。われわれが積極的にこう動いてこうします、ということをいま申し上げるようなそういう段階というか立場にもないので、そういうところはご理解いただければなと。従って、私のところに取材に来られても答えようがないということもけっこう多いので、それが1つ。 あとはもちろん、日産さんとホンダさんがうまくいい方向に進んでいただくことが、われわれの願っていることでもありますし、そうなった時にはしっかり協力をしていきたいと思います。これは会見の時にも申し上げたんですけども、ホンダさんと日産さんは車種のラインアップ、それからマーケット、こういうところが非常に似通っておられるし、それから両者ともしっかりとした技術力をお持ちで、SDVの関係だとか、そういうところにご対応されていくという点でこの2社というのは少し似通っているところがあると思います。 そういうところで、しっかりと一緒になって効率化を図られ、そして競争力を上げていかれると。こういうことであるとすると、われわれの立ち位置と少し違うものですから、そういう観点から必ずしもその経営統合ありきとも言えないのかなと。これは選択肢の1つですけれども、というところがあるので大株主さんの方にいろいろ相談させていただきながらいろいろなことを1月末までに決めたい、ということです。 (ホンダがパートナーになることのメリット、また軽自動車で重複するといったデメリットは? との問いに)メリットとしては、やはり北米とかの事業で、われわれだけではなかなか戦っていくのは難しいですから、こういうところをさらに積極的に力を貸していただきながらやれるということもあるでしょうし、地域的には特にやっぱり北米が重要かなと思います。 そのほかに、先ほど言ったSDVですとか、そういうソフトウェア環境の最先端のところ、これはもう自分たち1社ではなかなか難しいと思っているので、2社の技術力を活用させていただくというような場面が出てくるでしょうし、そういうところがわれわれにとっては非常に大きなメリットかなと思います。 その北米とか最先端技術に限らず、例えばわれわれの比較的強いASEANでもなんらか一緒にできることがあれば、またそのシナジーというのが出てくるかも分からないですしね。まだまだ今からというところもありますけど、そういうところが期待されます。 デメリットというのは、軽自動車にしてもわれわれのところでもそれなりの販売台数が出てますし、ホンダさんはもうすごく軽自動車を売られてますし、デメリットは、もしなにか一緒にやることになることがあるとするとメリットになる方が大きいんじゃないですかね。
Car Watch,編集部:小林 隆