機械式をもっと身近に!“アンダー10万円”で手に入る国産メカニカルウオッチ5選
正直なところ、この1年間の輸入時計の価格高騰には、驚き以上に呆れてしまう。もちろんこれはメーカーの問題ではない。何せスイスフランが高いのだ。2015年まではスイス国立銀行は積極的に金融市場に介入しており、1スイスフランはおおむね90円だった。しかし現在は1スイスフランが約150円。つまりはスイス時計の価格が為替の影響によって急騰し、10万円以下で買えるスイス製の機械式時計は急速に市場から消えているのだ。 【デザインを細部までチェックする】 そういった状況下で逆に存在感を増しているのが、国産ブランドの時計たち。もともと時計技術はスイスと比べても遜色はなく、どの会社も自社ムーブメントを製造する能力がある。それに、為替の影響を比較的受けにくく、価格の上り方も緩やかなので、値ごろ感がある。ゆえに今年の5選は、あえて国産ブランドのみに絞った。それもまた2023年らしいセレクトではないだろうか。
■1.長い歴史を持ちつつ“今っぽさ”を封じ込めている1本
SEIKO 5 SPORTS 「SKX Street Style SBSA129」 3万1900円 2023年に55周年を迎えた「セイコー 5スポーツ」は、カジュアルなスポーツウオッチとして人気を集めてきたが、今もそのスタイルは健在。 こなれた価格帯だが自動巻き式の機械式ムーブメントを搭載し、統一感のあるデザインの中に、ストリートカルチャーやコラボレーションなどの個性を加えることで、さまざまなモデルをリリースしている。 この「SBSA129」は、ストリートカルチャーを投影したモデルで、スケートパークやグラフィティなどと密接に関係する“セメント”がデザインコンセプト。 ダイヤルは荒々しい質感を表現し、ナイロンストラップも同系色のグレー。ボリューム感のあるタフなケースや手首への不快な干渉を軽減させる4時位置リューズなども特徴で、アクティブに動ける時計となっている。 サイズ:直径40mm×厚さ11.5mm
■2.高性能ウオッチを“5万円以下”で実現する驚異のハイコスパ時計
CITIZEN PROMASTER 「MARINEシリーズ メカニカルダイバー200m NY0125-08W」 4万9500円 男性用腕時計の多くは、特定の使用目的のために生まれた“道具”である。中でも有名なのが、潜水士のための時計であるダイバーズウオッチ。 潜水経過時間を計測するための計器であるため、故障は絶対に許されない。当然ながら堅牢なケースと高精度のムーブメントを求められるので、価格帯は比較的高めになるのは常識だった。 しかしシチズンはその常識を打ち破った。「プロマスター」から登場したこのモデルは、“200m潜水用防水”の防水性能を備えており、しかも自動巻き式の機械式ムーブメントを搭載。 シンプルかつ視認性に優れたダイヤルはダイバーズウオッチの王道ながら、ケースにはブラウン色のメッキを施してファッション的な魅力も加えている。信頼のおける道具を洒脱に楽しめるのに、この価格帯というのは驚きしかない。 サイズ:直径41mm×厚さ13.7mm