東芝社長「WDにプロセス止める権利ない」 メモリー事業譲渡差し止め請求に
東芝による半導体メモリー事業の売却をめぐり、協業してきた米国ウエスタンデジタル(WD)が現地時間の14日、売却差し止めなどを求めて国際商業会議所(ICC)国際仲裁裁判所に仲裁申立書を提出した問題で、東芝の綱川智社長は15日、「WDに(譲渡の)プロセスを止める権利はない」と述べた。 【中継録画】東芝 3月期業績見通しについて 綱川社長らが会見 WDは、今年4月に東芝が分社化した「東芝メモリ」への事業譲渡の解消とともに、WD傘下のサンディスクの同意なしにフラッシュメモリーの合弁事業「Flash JV」株式を東芝メモリに譲渡したのは、合弁事業契約の譲渡禁止条項に違反しているとして差し止めを求めている。 これに対し、綱川社長は「合弁事業契約に抵触する事実はなく、WDにプロセスを止める根拠はない」と述べ、WDがサンディスクを買収した際も、東芝の同意は特に必要なかったと指摘した。 入札締め切りは、当初の計画通り19日の予定で進める方針。綱川社長は「入札手続きの候補者には、東芝の主張の正当性を説明し、懸念を払拭するよう努力する」とした。 (取材・文:具志堅浩二)