市営バス運転手不足が深刻化…同じく人手不足の民間委託先が一部路線を差し戻し 安定運行の人数確保へ「貸し切り事業」から撤退 鹿児島市
鹿児島市議会は24日、5常任委員会を開いた。産業観光企業委で市交通局は、貸し切りバス事業を2025年3月末で廃止する方針を報告した。運転手不足が理由。基幹の路線バスに運転手を集め、安定運行を図る。 貸し切りバスは1934(昭和9)年から続く事業で、現在は中・大型車両8台を随時運行させている。2023年度は利用申し込み292件、稼働459台、乗客2万4054人。収支は319万円の赤字だった。20年度以降は新型コロナウイルス禍で需要が落ち込んでおり、19年度(申請342件、稼働507台、乗客4万7389人)の水準に戻っていない。 路線バス事業では24年からの残業規制などを背景に、8月末現在で運転手が6人不足している。 貸し切りバス事業に関し、県内には交通局のほかにも事業者が多数あり、市民への影響は限定的と考えられることから、事業廃止の方針を決めた。10月に市交通事業経営審議会に諮問し、答申を受けた上で最終決定する。
委員からは、待遇改善や募集PRで運転手採用に力を入れるよう求める声が上がった。 ◇路線バス民間委託先が運転手不足で差し戻し 鹿児島市交通局は24日の市議会産業観光企業委で、路線バス事業の委託先で運転手が不足しており、運行業務の一部が交通局に戻っていると明らかにした。 交通局によると4月、南国交通(同市)に委託していた北営業所管内15路線のうち、3路線の運行が交通局に戻された。同社の4月末の管内運転手は43人で、前年より12人少なかった。 交通局のバス運転手は8月末現在89人で、本来必要な95人に届いていない。同社からは、ほかの運行業務も交通局に戻したいという要望が出されている。交通局が引き受ける場合は運転手104人が必要となり、不足は15人まで拡大する。
南日本新聞 | 鹿児島
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