ソニン、多くの試練があったからこそ今がある「すべて女優としての引き出しに」
「迷え!」というメッセージに共鳴
マタンギの楽曲「迷え!」には、「迷ってもいい。道はひとつではない」というモアナだけでなく、観客にとっても胸に響くメッセージが込められている。ミュージカル女優として数々の舞台に立ちつつ、最近では連続ドラマへの出演が続々と決定するなど、充実の今を過ごしているソニンだが、「わたしは優柔不断で、迷ったり、悩んだりすることも多いです」と告白する。 「でも、迷った時にこそいろいろなことが見えてくると思っていて。ポジティブに捉えると、迷うほどいろいろな選択肢があるということだし、視野が広くなっている証拠でもある。それ以上に、迷った結果どの道も選択しなかったり、“人にこうした方がいいと言われたから、この道を選んだ”と思いながら進んだりすることの方がよくないと感じていて。迷いながらも、自分の信念を持って、自分で選択していくことが大事」とキッパリ。「わたし自身、誰かに言われるままに動いたり、10代や20代の前半は環境に振り回されていたところがあったと思います。20代後半くらいから、わたしがこの世界にいる理由みたいなものを見つけ始め、自分の意志を持って選択していけるようになった」と数々の舞台を踏むことで、意志を握りしめられるようになったと打ち明ける。
同年代であるSPEEDのコンサートを観て「わたしも人に感動を与えられるような存在になりたい」と夢を抱いたことをきっかけに、芸能界に飛び込んだソニン。選択をする際に大事にしているのは、「その原点を思い出すこと」だ。「原点を思い出すと、このお仕事を続けていく意味を確かめられます。また、自分のバックグラウンドを活かすことができる作品や、自分の感性と共通した作品には出たいという思いもあります」と核となる信念について語っていた。
若い頃の試練は「糧」
これまでのキャリアを振り返ってみると、2000年にダンスボーカルユニット「EE JUMP」としてデビューを果たすも、2002年に解散状態に。同年「カレーライスの女」でソロ活動をスタートさせた際には、インパクトあふれるジャケット写真も話題となった。その後はミュージカル界へと進出し、2012年からは芸能活動を休止して演劇留学へと旅立つなど、波瀾万丈とも思える道のりを辿ってきた。「出来事を並べてみると、波乱万丈に見えるかも」と笑い飛ばしたソニンは、マタンギの口にする「危険を恐れるな」という言葉にも「大いに共鳴します」と目尻を下げる。 「マタンギの教えって本当にすごい」と舌を巻きながら、「ニューヨーク留学も、旅立つ時にはもちろん恐怖もありました。海外に住んだこともなければ、何も得られずに帰ってくる可能性だってある。自分でも思い切った決断をしたなと思いますが、長く日本を離れることで『この業界に居場所がなくなるんじゃないか』という不安は不思議とありませんでした。自分の直感と信念を尊重したいし、そのためにもやっぱり努力していたい」と力を込める。体からあふれ出すようなストイックな前進力が、なんとも魅力的だ。