飛田和緒が伝授、完熟トマトを箱買いしても絶対美味しく使い切る「超簡単」な技
トマトの旬は夏じゃない
夫は海外出張が続き、娘は遠方で大学生活を謳歌中。普段はほぼ一人暮らしで、時々家族が集まる。そんな生活のリズムもできて仕事に稽古ごとにと忙しい、料理家の飛田和緒さん。 家族が減っても食いしん坊の飛田さんは、大好きなトマトは箱で取り寄せています。 最近のお気に入りは茨城県のスーパーフルーツトマトで、「水分がわりというか、おやつがわりに毎日箱から1、2個つかんでがぶりと食べています」と言いますが、それもそろそろお終いとか。これからは露地物が盛りになります。 【写真】”熟れ熟れトマト”飛田さん絶品料理や大量買い後の「秘策」を連続写真で トマトは夏が旬と思っている方が多いと思いますが、ハウス栽培に旬はなく、高温になる夏は栽培が難しく「フルーツトマト」といわれる高級トマトの出荷量は少なくなります。ちなみにフルーツトマトは品種ではなく、糖度を高めたトマトを総称してそう呼びます。 食材を無駄なく使って、楽しく、おいしく食べきる台所の知恵を飛田さんに習う連載「始末の料理」の13回目は、熟れ熟れの真っ赤なトマトです。 真っ赤なほど抗酸化作用があり、“がんや老化を予防する”といわれているリコピンが多いトマト。 完熟か、ちょっと熟れ過ぎたくらいの真っ赤なトマトが安くなってまとめて売られているのを見ると買わずにはいられないと言いますが、熟れていれば当然足もはやい。食べきると言っても限度があります。お忙しい中、どう使い切っているのでしょう。 「どれだけあっても絶対無駄にすることはない」と豪語する飛田さんの、おいしい食べ方と使い方を紹介します。
「お値下げ品」はちょうど食べごろ
好きな野菜の筆頭に挙げるほどトマトが大好きな飛田さんは、買い物に行く度に買うといいます。 「トマトは味もうま味もあるから丸かじりはもちろん、煮ても炒めても焼いても、揚げてもおいしい。調理の幅が広いし、和洋中の料理にそれぞれ合うスーパー野菜。そして毎日、毎食でも飽きないところもいい。赤い色が食卓に元気をくれます」(飛田さん、以下同) スーパーなどで売られているトマトは、まだ青い状態で収穫され、配送される間に追熟します。店頭に並んだときに赤くなるよう、店頭に並ぶほとんどのものが、完熟手前のものです。 全体がムラなく赤くなった完熟トマトには、「お値下げ品」「見切り品」シールがついていることも。もう食べられない? 味が落ちている? と思うかもしれませんが、早く売ってしまおうというだけで、実はちょうど食べごろです。 ただ、トマトはヘタのほうから傷むので、買うときにヘタの周囲の色が黒ずんでいたり、傷がついていたりしてないかをチェックします。傷みがあるのは、盛りを過ぎているのでパスします。