秘密鍵をなくした仮想通貨に相続税はかかるのか? (村上ゆういち 税理士・公認会計士)
■秘密鍵をなくした場合の対策
上記の通り、秘密鍵をなくしたとしても、相続税がかかるという主張を国税庁はしています。相続税対策としても秘密鍵の管理は必要となります。秘密鍵をなくさないためには、生前の管理方法が重要です。 ハードウェアウォレットやペーパーウォレットを使用し、秘密鍵を安全に保管することをおすすめします。また、相続人に秘密鍵及びパスワードを引き継ぐ方法も検討しておく必要があります。暗号化された形で秘密鍵を保管し、相続人に引き継ぐ方法や、信頼できる第三者機関に秘密鍵を預ける方法などがあります。 ただし、秘密鍵の管理は専門的な知識が必要なため、仮想通貨に詳しい専門家に相談することをおすすめします。弁護士や税理士など、法律と税務の両面から助言を得ることで、適切な対策を講じることができるでしょう。
■まとめ
以上のように、仮想通貨の秘密鍵をなくした場合であっても、相続税がかかることとなります。秘密鍵を適切に管理し、相続人への引き継ぎ方法を検討しておくことが重要です。また、専門家への相談を通じて、法律と税務の両面から適切な対策を講じることをおすすめします。 仮想通貨の相続問題は、今後ますます重要になってくるでしょう。本記事が仮想通貨を保有する方の一助となれば幸いです。 村上ゆういち 税理士・公認会計士
【プロフィール】
新日本監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)、横河電機株式会社、アカウンティングフォース税理士法人での勤務を経て、2020年に村上裕一公認会計士事務所設立。現在は「魔界の税理士」としてSNSやyoutubeでも活躍し、仮想通貨(暗号資産)・NFT・ブロックチェーンゲーム領域を専門とする。