【初テスト】最高のパフォーマンスを実現する新型プラグインハイブリッド 新型「メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンス」を徹底テスト!
バッテリーパック自体は非常に小さく、使用可能容量は4.84kWhだが、それでも「GT 63 S Eパフォーマンス」を13km走行させることができる。しかし、これは第一の目的ではない。なぜなら、言うまでもなく、このコンセプトは燃料の節約よりもパフォーマンスを重視して設計されているからだ。 「GT」にはかなりの予備容量があるため、いつでもパワーアップが可能だ。エネルギー回生はレースモードで機能し、ブレーキや減速時にエネルギーがバッテリーにフィードバックされる。サーキットでは、1周するだけで次の周回分のバッテリーを充電でき、3周目から再びアタックを開始できる。少なくとも理論上は、という話だが・・・。AMGの新しいスポーツカープラットフォームはサーキットで非常に優れた性能を発揮するが、「63 S E パフォーマンス」をサーキットで頻繁に見かけることはまずないだろう。タイヤに大きな負担をかけてしまうし、AMGは、612馬力とカップタイヤを搭載した、本物のサーキット用武器である「GT 63 PRO」をつい最近発表したばかりだから、わざわざ重い「63 S E パフォーマンス」を振り回す必要はないと言える。
一方で、「63 S E パフォーマンス」は、日常的な運転やショッピングストリートでの散策にはるかに適している。ただし、この特徴は今回追加された「GT 63 S E パフォーマンス」の存在意義を問うものだ。なぜなら、通はクローズドボディの「GT」ではなく、わずか5,950ユーロ(約100万円)の追加で、「SL」に手を伸ばし、オープンエアオプションを手に入れる可能性が高いからだ。高速道路でもソフトトップは走行音をしっかりと遮音するので、違いを感じさせることはない。 次にコストについて見てみよう。「GT」の割引なしの価格は217,770ユーロ(約3,600万円)、「SL」は223,720ユーロ(約3,700万円)だ。つまり、電動アシストなしの場合と比べて約29,000ユーロ(約480万円)高くなる。確かに高いが、標準装備のセラミックブレーキだけで追加コストの3分の1を占めている。
結論
この駆動系により、最もパワフルな「GT」は縦方向のダイナミクスのベンチマークとなる。しかし、ドライビングダイナミクスの専門家は「GT 63 PRO」を選ぶ可能性が高く、目利きは「SL」を選ぶ。これにより、「GT 63 S Eパフォーマンス」は、ニッチの中のニッチに位置づけられることになる。
Alexander Bernt