「涙が自然にこぼれ落ちる時がある」営業回りや台本作成も自分たちで! 日本で初開催「東京デフリンピック」都職員たちの奮闘
大会エンブレムにも”手作り感”
東京大会で問題が起きたエンブレムについては、都庁の担当部局が石井さんたちと同様、手作り感のある形での製作を実現させた。 担当したのは西口彩乃広報戦略課長と金澤聖訓大会広報担当課長。 エンブレムは、特別なデザイナーに発注せず、筑波技術大学の耳の聞こえない学生がデザインし、都内の中高生による投票で決定した。 そうすることで当事者、こどもたちにかかわってもらう機会、接点を増やすことを意識した。 また、キックオフイベントや途中の制作過程もメディアオープンとすることで、エンブレム完成までの過程の広報も大切にした。 現地の茨城県庁までいき、現地の記者にも取材を呼び掛けた。 デフリンピックに向けたSNSアカウントの開設も外部に発注せず、職員の日々の投稿を綴り、現在、フォロアー数が1万人を超えている。
大会本番に向け続く奮闘
しかし、大会開催にむけては不安も残る。 大会に必要な計画額は約130億円とされているが、物価や人件費高騰でどれくらい上がるのか。 また、2023年10月の調査では14.8%だった大会の認知度が、代理店を使わない広報で、どれくらいの成果が出ているのか。 2025年11月15日~26日の大会本番にむけ東京都の職員たちの奮闘が続く。
大塚隆広