「イライラさせる質問かもしれません…」“批判だらけ“の記者会見、ドジャース・ロバーツ監督はニヤリと笑った…低評価「ロバーツはポストシーズンに弱い」を大谷翔平と変えるまで
ドジャース1年目にしてワールドシリーズ制覇、そして2年連続のMVPを受賞した大谷翔平(30歳)。その活躍の裏にデーブ・ロバーツ監督(52歳)の支えがあったことは間違いない。ロバーツ監督とはいったい何者なのか? NumberWebの記者が現地ロサンゼルスで見た「ロバーツ監督の正体」。【全2回の後編/前編も公開中】 【変わりすぎ写真】「ガリガリだったエンゼルス時代」→「大谷のう、腕が…“まるでハルク”」&「ロバーツ監督に愛されるオオタニ」ドジャースベテラン勢もニコニコまですべて見る ◆◆◆
米国人記者の“厳しい”ロバーツ評
ポストシーズンで勝てない監督。 ドジャースタジアムのメディア席で話した、ある米国人記者のロバーツ評である。レギュラーシーズンでは無類の強さを発揮する。選手から慕われてもいる。だが一つ、短期決戦に弱い。それゆえ世界一になれない。だから名将と讃えられることが少ない、と。 忘れられないシーンがある。リーグ優勝決定シリーズ第2戦が終わった直後の会見。ドジャースはこの試合、中継ぎ投手陣を初回から細かくつなぐブルペンゲームで臨むも、メッツに3-7で敗れていた。 100席ほどのパイプ椅子が並ぶ会見場。その後方の扉からいつものようにロバーツは姿を現した。パーカーのマフポケットに手を突っ込み、猫背で前方の席に歩いていく。着席した瞬間、司会の広報担当者が、挙手する記者を指名していく。 継投の真意を問う質問が相次いだ。登板させた投手たちの選定理由、どんな狙いで継投させたのか。ロバーツは悲観的にも感情的にもならず、抑制のきいた口調でこう語った。 「全体的に投手陣の動きは良くなかった。特に2回表だ。相手に与えた四球が余計だった。(中略)負けて気分が良くなることはない。だが、今日投げたブレント・ハニーウェルとエドガルド・エンリケスが複数イニングを消化してくれたおかげで、他の投手を休ませることができた。彼らの貢献はチームにとって大きい。次の試合で勝つためのチャンスを与えてくれた」
どことなく演技のような会見
無安打に終わった大谷翔平に関する質問も飛ぶ。「打順は下げないのか?」。するとロバーツは即座に「そこには反応的になりたくない(変えるつもりはない)」と答えた。 会見を終え、再び後方の扉へ向かう。パイプ椅子に座っていた旧知と見られる数人の記者の肩をポンと叩き、去り際に“Thanks guys”と言い残す。この1敗がまるで「最善の1敗」であると確信しているかのようですらあった。 ロバーツの会見対応はどことなく演技がかっている。時折、知り合いの記者を名前で呼ぶ。その雰囲気は、さながら小規模な講演会のように見えることもあった。厳しい質問に対してもほとんどの場合、前向きな発言となって回答を終える。
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