今年の中国「618商戦」、日本製品は「極端な二面性」を見せる
【東方新報】長い1か月の競争の末、今年の中国「618商戦(6月18日を中心に行われる中国最大級のネット通販セール)」が終了し、各大手ブランドの成果が明らかになった。中でも特に目立ったのは、一つ目に中国市場での輸入製品の売上全体が増加したこと、二つ目に健康やスポーツなどのカテゴリーが新たな市場トレンドとして浮上したことだ。 データによると、京東(JD.com)の「618商戦」開始4時間で、前年比で5倍以上の成長を遂げたブランド数は1万を超え、その中には多数の海外ブランドが含まれていた。天猫国際(Tmall Global)では、開始4時間で1497の輸入ブランドの売上が倍増し、342の新ブランドが登場した。 しかし、中国のネットユーザーが指摘するように、「多くのブランドや商品が大きな売上を達成している中で、日本の美容製品は見当たらない」状況があった。日本のデジタル製品は相変わらず売れ行きが好調だったが、美容および健康関連商品はプロモーション期間中にほとんど姿を消してしまった。 たとえば、天猫国際のデータによると、2024年の「618商戦」での開始4時間で、輸入デジタルカメラカテゴリ全体の成長率が倍増し、特にレトロスタイルが特徴的な日本のオリンパス(Olympus)の取引量は8倍に跳ね上がった。 しかし、美容製品のカテゴリでは、かつて中国の電子商取引(EC)市場でトップセールスを誇った日本のブランドが、大規模なプロモーション活動中に姿を消した。一方で中国の美容ブランドが力強く台頭しており、一部の日本の美容ブランドは「618」の競争から自ら退く選択をした。また、日本の美容グループの財務報告からは、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の処理水が依然として負の影響を与えていることが窺える。この中で、資生堂(Shiseido)の高級美容ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ(Cle de Peau Beaute)」だけが売上を150パーセント増加させ、トップ10に留まった。 処理水の排出の影響は確かに看過できない。長年にわたり、日本の化粧品ブランドは中国市場で高い評価を受け、その製品の品質、ブランドの歴史、ユニークなスキンケア理念が消費者から広く認められていた。しかし、資生堂は2024年第一四半期の財務報告で、処理水の海への排出が影響を受け、中国での成長が停滞していることを示している。 日本の化粧品業界はもともと医薬品会社が母体で、強力な研究開発能力と供給網を持っている。多くの企業は百年以上の歴史があり、市場で人気の高いスター商品も多数あるが、中国という巨大な市場でのチャンスを逃しつつあるようだ。業界全体が一致している見解として、日本の化粧品企業は現在、処理水問題や小林製薬(Kobayashi Pharmaceutical)の問題のようなニュースが引き起こすネガティブな影響に迅速に対処し、中国の消費者からの信頼を完全に取り戻すことを最優先課題としている。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。