インカレGL惜敗の九州産業大は興國出身MF伊藤励雅がCB&ボランチ“同時兼任”で存在感、同学年の名古屋加入MFも刺激に来季プロ入りアピールへ「まず九州を絶対に取りたい」
インカレグループリーグ初戦で大阪体育大を1-0で破ったが、2戦目で東海学園大に2-3の逆転負けを喫すると、最後は筑波大に1-5の大敗を喫し、目の前にまで迫ったベスト8入りを逃した九州産業大。敗退後、181cmの上背を活かしてセンターバックとボランチ“同時兼任”で3試合フル出場したMF伊藤励雅(3年=興國高)は来季へのリベンジを誓った。 【写真】日本代表FWとモデル妻がパリ観光「可愛すぎ」「小松菜奈ちゃんとのツーショいいな」 「来年は自分たちの代になるので、自分たちが引っ張っていかないといけない。今回は全国の舞台でベスト8が見えたにもかかわらず、関東のでかい壁にぶつかって力の差を感じた。全国の舞台に出ないと注目は集まらないし、見てもらえる数も減ってくるし、アピールするチャンスも減ってくる。まず九州を絶対に取りたい」(伊藤) 興國高でFW永長鷹虎(川崎F→琉球)、DF坂本稀吏也(北九州)、FW荒川永遠(山形退団)と同期だった伊藤は3年時の今季、シーズン途中からレギュラーに定着。夏の総理大臣杯1回戦では筑波大を相手にゴールも決めるなど、着実に結果も残してきた。また特筆すべきは試合の中での役割。スタートポジションは3バックの右CBだが、攻撃時はボランチの一人としてビルドアップや敵陣への侵入も務めるという形で異彩を放っていた。 高校の頃からボランチとCBの経験を持つという伊藤だが、昨季のマンチェスター・シティで同様の役割を担っていたDFジョン・ストーンズの動画も参考にしながらプレーを調整。ゆくゆくはボランチで勝負したい意向を持っており、「足元は高校の時から自信はあるので、アンカーとしてボールをさばけて、攻撃になったら自分でも運べて、ゴール前でテクニック活かして狭いところを打開してシュートも狙っていく」という選手像を目指している。 そうした姿勢はインカレでもいかんなく発揮。勝てばベスト8進出が決まる2回戦・東海学園大戦では、0-1のビハインドとなっていた前半に一列前での絶妙なサポートで攻撃を前進させると、そこからDF岩崎海駕(1年=清水ユース)のクロスにMF菊地雄太(4年=東海大熊本星翔高)が飛び込むというゴールが生まれていた。 また筑波大戦でも序盤から大量リードをつけられた中、時には敵陣ペナルティエリア内まで攻め上がって反撃を牽引。「夏も冬も筑波とやって、九産のギアが上がったのは点差が開いてからだったし、自分も後半に入ってからやっと攻撃の部分を出せたのでもっと最初から出していけるような選手になっていかないといけない」と課題も残したが、高いレベルでも十分にプレーできるところは示していた。 さらに筑波大戦では、来季から1年前倒しで名古屋グランパスに加入する同世代のボランチMF加藤玄(3年=名古屋U-15)からも大きな刺激を受けた。 「加藤が筑波の中心にいて、あいつにボールが入れば取られないし、ゲームメークしている感じもあれば、ボールも奪えるし、そこを自分が今日できたかというとできなかった。見た感じのガタイも全然違うし、自分はまだ細いので、まだまだだなと感じました」(伊藤) そんな伊藤は卒業後、プロサッカーの道に進むことを志している。「高校の時からずっとプロに行きたいと思っていて、今も就活の説明会には行っているけど、気持ちとしては何よりプロに行きたい気持ちが強い」とデンソーチャレンジカップの九州選抜入りに向けたアピール、来季の九州大学リーグ経由での全国出場に取り組んでいく姿勢だ。 永長、坂本、荒川といった同期がJリーグで苦戦する姿も目にしており、プロ入りに向けてはさらなるレベルアップが必要。伊藤は「高校の時は格段にレベルの差を感じていたけど、大学に入ってプロと練習試合をする機会も増えて、筑波とかプロがいっぱいいる相手とやってきたことで自分も少し自信がついた。もっとそこに近づいていけたらなと思う」と覚悟を胸に最終学年に臨む。