米長期国債の主要ETFに記録的な資金流入-市場は「FRBと対決」
(ブルームバーグ): 米長期国債を対象とする上場投資信託(ETF)で最大のファンドに今週、記録的な資金が流入した。市場では米金融当局による年内の利下げ時期を巡り予想を見直す動きがある。
ブラックロックの米国債ETF、iシェアーズ米国国債20年超ETF(TLT、運用資産540億ドル=約8兆6800億円)では24日に流入した資金が27億ドルに達し、2002年の設定以来、1日として最大を記録した。年初来の運用成績が3%近いマイナスにもかかわらず、今年に入って約44億ドルが流入している。
今週の資金流入の背景には、年央に差し掛かり投資家がポートフォリオの入れ替えに着手していることがある。また、景気鈍化を背景に市場では今週、向こう9カ月で計3ポイントの利下げを織り込む動きが見られた。
債券トレーダーが大胆な賭け-来年3月までに3ポイントの米利下げ
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のETFアナリスト、アタナシオス・プサロファギス氏は「投資家は金融当局と再び戦い始めているようだ。投資家は米利下げに賭けている。それが正しければ素晴らしい値動きになるだろう」と指摘。年央のポートフォリオ調整も影響している可能性があるとした。
米金融当局者の最新の金利予測分布図(ドット・プロット)では2025年末までの利下げ幅予想が計125ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)。一方、スワップ市場では来年末までに165bpの利下げが織り込まれている。
原題:Top Long-Bond ETF Snags Record Haul as Traders ‘Fight the Fed’(抜粋)
--取材協力:Isabelle Lee.
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Vildana Hajric, Ye Xie