強すぎるネリー・コルダ…「私も人間」印象的だった記者の前での悔し涙、全てが順風満帆だったわけではない【米女子ゴルフ】
◇武川玲子コラム「米ツアー見聞録」 前週の米女子ツアー、アニカ・ゲインブリッジ・ペリカンは、世界ランキング1位のネリー・コルダ(米国)が異次元の強さを発揮した。 強風が吹き、乾いたグリーンはスピードが増し「まるでアイスリンクのよう」と多くの選手が苦戦した。1打差の2位でスタートしたコルダは後半に入って11番パー4でバーディーを奪うと、難しい池越えの12番パー3もピンから1メートル半につけるショットを披露、5ホール連続で伸ばすとあっという間に首位へ。フェアウエーでディポットに入った16番パー4もパーパットを沈めると後続に隙を与えず2位を3打差で退けた。 今季は開幕2戦目から出場6大会連続優勝、メジャーのシェブロン選手権も制し圧倒的な強さを見せる。1シーズンで7勝を挙げるのは2011年の曽雅妮(台湾)以来。優勝賞金48万7500ドル(約7500万円)を加え、最終戦を前に今季の獲得賞金は416万4430ドル(約6億4130万円)と米女子ツアーで史上3人目の400万ドル超えとなった。既に今季の「最優秀選手賞」と「アニカ・メジャー賞」が確定している。 が、そのコルダも今季は全てが順風満帆だったわけではない。6連勝の後、大注目だったメジャー第2戦の全米女子オープン選手権では初日に12番パー3で池に3度落とし、「10」を記録し予選落ち。全米女子プロ選手権も第2日に81と崩れ決勝に進めなかった。「私も人間」と悔し涙を流して囲まれた記者に気丈に応えていたのが印象的だった。 そこから調子を戻すも9月には、今度は首痛を発症し約2カ月半も戦線離脱。「毎日40分のストレッチを3回繰り返すリハビリで、ようやくクラブが振れるようになったばかり。勝利できたのは本当に幸運だった」と大歓声に応えた。 21日に開幕する最終戦の優勝賞金は女子史上最高額の400万ドル(約6億1600万円)。女王コルダに古江彩佳、笹生優花、畑岡奈紗、西郷真央の日本勢がどこまで挑めるかに注目だ。(全米ゴルフ記者協会会員)
中日スポーツ