縮小する〝100%オレンジジュース〟市場 果汁高騰で休売や買い控え
2024年の100%オレンジジュースの国内市場規模が、前年と比べて7%減の319億円となる見通しであることが、民間調査会社の富士経済の調査で分かった。原料となる輸入オレンジ果汁の不足と高騰が要因。商品の値上げによる消費者の買い控えや、メーカーによる商品休売により市場が縮小するとみる。 23年の100%オレンジジュース市場規模は、前年比0・9%増の343億円。原料価格の高騰などによる値上げのため微増となったが、一部商品の販売休止や欠品があったことで数量ベースでは前年を下回った。 24年も引き続き輸入オレンジ果汁は不足しており、他の果汁と比べて大幅な値上げが実施されている。オレンジは100%果汁飲料の中で35%以上を占める。だが今後、値上げを受けた消費者の買い控えや、他の果汁飲料への移行、商品休売を含めたメーカーの注力度低下が予想される。 一方、24年の清涼飲料全体の国内市場規模は前年と比べて微増となる見込み。中でも国産ミネラルウオーター類は、清涼飲料全般の値上げの中で割安感から需要が高まり、24年は23年比7・4%増の市場規模となる見通しだ。
日本農業新聞