ソフトバンクGの四半期純利益、2年ぶり1兆円超え-SVF好調
(ブルームバーグ): ソフトバンクグループが12日発表した7-9月(第2四半期)連結純利益は1兆1796億円と、前年同期の9311億円の赤字から大幅に改善した。2022年7-9月期以来2年ぶりに四半期純利益が1兆円を超え、「反転攻勢」に向けて準備が整いつつある。
ビジョン・ファンド(SVF)事業の税引き前利益は3731億円と好調で、前年同期(2589億円の赤字)と比べて大きく回復した。投資の実現損益は390億円の赤字だったが、未実現評価損益が6465億円の黒字と大きく上回った。インドの電動二輪車大手オラ・エレクトリック・モビリティーなどが新規株式公開(IPO)したほか、韓国の電子商取引(EC)クーパンや、中国の配車サービス滴滴グローバルの株価が上がった。
ペイペイなどレイターステージの投資先の公正価値合計は340億ドル(約5兆2000億円)とIPOのパイプラインもそろいつつある。Tモバイルの株価上昇などで、持ち株会社投資事業からの投資利益1兆5488億円も計上した。
第2四半期の投資額は20億ドルと直近9四半期では最多となった。反転攻勢に向けて動きつつある同社だが、今後の投資計画については明らかになっていない。すでにソフトバンクGは人工知能(AI)検索企業のパープレキシティAIやオープンAIに投資しているが、 人間の1万倍の知性を持つ人工超知能(ASI)を信奉する孫正義社長が、今後どのような投資戦略をとるのか注目が集まる。
後藤芳光CFOは12日に開いた決算会見で、「新規投資に向け常に構えている」と強調。投資すべき企業などをグループ全体で見極めていくとした。
SVFの体制変更も明らかにした。ラジーブ・ミスラ氏のソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズ(SBIA)の共同最高経営責任者(CEO)退任に伴い、アレックス・クラベル氏が単独でCEOとなる。後藤CFOはミスラ氏は主要な役割からは降りたとし、今後経営メンバーや役員を兼務しないと説明した。