セルジオ・ペレス、予選Q1でまたもクラッシュ。レッドブル解雇の危機的状況から「これは痛い」|F1ハンガリーGP
ハンガロリンクで開催されているF1ハンガリーGP。レッドブルのセルジオ・ペレスは、雨混じりのセッションとなった予選Q1でまたもクラッシュを喫してしまった。ペレスはシーズン中盤以降のスランプによって、レッドブルのシートから降ろされる可能性が日に日に高まっており、そうした状況でのクラッシュは「痛かった」と語った。 【リザルト】F1第13戦ハンガリーGPスターティンググリッド(暫定) ペレスは予選Q1終盤、ターン8の濡れた縁石に脚を取られてスピン。ウォールにマシンを激突させ、これでセッションは赤旗中断となった。そして再開後に各車がタイムを改善していったことで、ペレスは16番手でノックアウト。今季4回目のQ1敗退となった。 「かなりの衝撃だった」 予選を終えてペレスはクラッシュをそう振り返った。 「幸い、全て問題ない。脚に少し痛みがあったけど、それ以外は問題なく、レースに向けて準備万端だ」 またペレスは当時の状況について、こう説明した。 「(マシンの)コントロールを失った。縁石に乗り上げたと思うんだけど、その時点でターン8は雨脚が強まっていた。乗り上げた縁石はコーナーのかなり後方で、それで濡れた部分まで滑っていってしまったんだ」 レッドブルはペレスの座るセカンドシートに関して、今回のハンガリーGPと続くベルギーGPの後のサマーブレイクでドライバー評価を行なうのではないかと言われている。後任の最有力候補と言われるリザーブドライバーのリアム・ローソンも、前戦イギリスGPの後に今季マシンRB20で走行テストを実施した。 そうした状況下でのクラッシュに、自身のシートを心配しているかと訊かれたペレスは次のように答えた。 「いや、前にも言った通り、何も変わらない。心配はしていないし、シーズンを好転させ、自身のパフォーマンスに集中することを、強く心に決めている」 しかしペレスは、シートが危うい状況下では必要のないことだったと認め、自身にとっては「痛い」ことだと語った。 「コンディションを判断するのがとても難しかった。雨は強くなっていたけど、結局のところグリップは失っていなかった。ラップタイムも改善していた。だから見た目では問題なかったと言える」とペレスは言う。 「あのラップは必要なかったけど、後には多くのことを知っているものだ。特に今のような僕の状況では、また同じようなことが起きてしまったのは痛かった。でも昨日は本当に良い1日だった、とても期待できる1日だったと思うから、この状況を好転させる決心はできている」 「明日は本当に良いペースで走れることを願っているし、それがポイントにつながれば良いなと思っている」 またペレスは次のように語った。 「今にして思えば、あのラップは必要なかったのかもしれない。見直す必要がある」 「こういうコンディションでは誰にでも起こり得ることだと思う。でも、状況を好転させる決心はできている。このような困難な瞬間の後、メディアと向き合うのはかなり難しいね。でも、復活したら、より素晴らしいモノに感じると思う」 なおペレス曰く、今回のハンガリーGPでレッドブルが投入したアップデートパーツも含め、決勝に向けてスペアは全て揃っているという。
滑川寛, Ben Hunt