シカゴ連銀総裁、インフレ抑制は道半ば-トレードオフ上昇へ
(ブルームバーグ): 米シカゴ連銀のグールズビー総裁は10日、当局者によるインフレ抑制はまだ道半ばだが、2024年には物価押し下げと高水準の雇用維持のトレードオフが高まるとの見解を示した。
グールズビー氏は、インフレが昨年のように容易に鈍化し続けるかどうかという疑問は今年について一段と難しいと指摘。10日発表された3月の米消費者物価指数(CPI)統計では、重要指標の伸び率が3カ月連続で予想を上回った。
米コアCPI、3カ月連続で上振れ-米利下げ後ずれの可能性 (4)
マサチューセッツ州ケンブリッジで開催されたソーシャル・ファイナンス・インスティテュートのオンライン会合で同氏は「今年最初の3カ月は間違いなく悪化している」とし、「まだ少し道のりはあるが、昨年よりもトレードオフが多くなりそうな地点に至りつつある」と述べた。
3月のCPIを受け、消費者物価の伸び抑制に向けた昨年の急速な進展が失速しつつあるという懸念が強まった。当局者は利下げ開始にはインフレ率が目標の2%に向かっていることを示すさらなる証拠が必要だと表明するとともに、目標達成への道のりは起伏に富むと予想している。
リッチモンド連銀のバーキン総裁は同じ会合で、「われわれはかなり前進していると思うが、そこに至るのがいかに容易であるかについては謙虚である必要がある」と述べ、3月のCPIはインフレ抑制に一定の時間がかかることを示唆しているとの認識も示した。バーキン総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で議決権を有する。
リッチモンド連銀総裁、一部セクターの物価上昇圧力はなお高過ぎる
原題:Fed’s Goolsbee Says More to Do on Inflation, Trade-Offs Rising(抜粋)
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Chris Anstey, Catarina Saraiva