SDV開発の期間短縮やツール統合に対応する、PTCのALMソリューション「Codebeamer」
PTCシニア バイスプレジデントのクリストフ・ブラウクレ(Christoph Braeuchle)氏
CADや製品ライフサイクル管理(PLM)などのソリューションを製造業向けに提供するPTCは、クラウド対応可能なALM(Application Lifecycle Management)として開発された「Codebeamer(コードビーマー)」の概要についての説明会を、11月25日に開催した。 柔軟で現代的なインターフェイスが特徴 この日の説明には、PTCシニア バイスプレジデントのクリストフ・ブラウクレ(Christoph Braeuchle)氏のほか、開発を担当したPTC戦略&オペラ-ション担当の副社長 ヴォルフガング・シュテルツレ氏が同席。SDV(Software Defined Vehicle)の開発において重要度を高めているコードビーマーについて解説した。 コードビーマーは、柔軟で現代的な使いやすいインターフェイスに特徴があり、開発ライフサイクルにおける要件管理やリスク管理、テスト管理といった機能をユーザーに提供するものだ。自動車業界向けの規格テンプレートを備えており、効率的に標準プロセスを開発現場に適用できることが最大のポイントとなる。 このツールは、PTCが2022年4月に買収したIntland Software(イントランド・ソフトウェア)が開発した。この買収に伴ってPTCでは、コードビーマーを単独、あるいは「Windchill(ウィンドチル)」や「Arena PLM(Product Lifecycle Management)」と組み合わせて提供し、既存のALMソリューションの強化やサポートをさらに強化につなげていくとしている。 ブラウクレ氏はまず自動車を取り巻く状況について、「ここ10年ぐらいで自動車の開発は大きく様変わりした。電動化はもちろんのこと、AD/ADASの開発が進み、OTAによるアップデートを可能とするなど、新たなビジネスモデルが生まれている」と説明。その上で、「もはや自動車の開発はSDVによって新時代のプロセスに入っており、車両そのものがライフサイクル全体で進化していくフェーズに入っているのではないか」との見解を述べた。 これは「これまでも車両の量産開始まではいろんな認証や検証作業が必要だったが、SDVでは生産が開始されてからもアップデートの検証を行うことが求められている」(ブラウクレ氏)ことを指す。さらに、電動化はスペアパーツ自体も大きく変化させ、毎日のように車両が進化していく状況にある。加えてエネルギーコストや人件費の高騰という背景も見逃せない。 開発ツール統合の需要に対応 こうした状況下においては、「企業は生き残り策としてグローバルで連携しながら開発することの重要性が増しており、顧客からは企業間やブランド間において開発ツールの統合していきたいという話が増えている。その意味においてもコードビーマーの重要度はますます高まってきている」(ブラウクレ氏)というわけだ。 さらにソフトウェアが先行して開発されるSDVにおいては、開発期間の短縮も重要となっている。今後、新車の開発期間は短くなる一方だが、製品開発において複雑さは増すばかり。しかも、高品質さや様々な規制にも素早く対応していかなければならず、同時にサステナブルであることも求められるのだ。エンジン車のしがらみが残っている既存のメーカーにとっては、ここからどうやって抜け出せるかも重要な要素になっていると言えるだろう。 日々進化するSDVの開発ではスピードが重要となり、それを高品質かつ規制にも対応することも欠かせない では、コードビーマーを導入する具体的なメリットはどこにあるのか。
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レスポンス 会田肇