東京にリトル尾瀬があった! 都内の住宅地にある小さな湿地「矢川緑地保全地域」をレポート【関東エリア】
時々街中には驚くほど小さなスペースながら、環境保護の目的などで自然豊かな場所が残っていることがあります。今回は住宅地の間にある小さな湿地の「矢川緑地保全地域」をレポートしたいと思います。 【写真】まるで小さな尾瀬のような矢川緑地保全地域を見る(全10枚)
住宅街にある湿地はコンビニも近くにある好立地!
今回訪れるのは、東京都立川市にある「矢川緑地保全地域」。2.1ヘクタールの緑地で、徒歩圏内に2分でコンビニ、5分で電気店、10分ほどで最寄り駅まで行ける賃貸情報なら好立地の場所。そんな便利な場所にありながら、入口を一歩入ると、周囲を住宅街と道路などに囲まれていることを忘れてしまうほど、のどかな風景が広がります。 緑地内には、スダジイ、マテバシイ、シラカシ、ケヤキの樹林と、ヨシ、ガマなどが生える湿地、ミゾソバなどを見ることができる矢川の流水域に、鳥たちが集うサンクチュアリがあります。とくに澄んだ水に草が生えるこの場所は、昭和52年「東京における自然の保護と回復に関する条例」により、緑地保全地域として指定されました。 春には桜や梅が咲き、夏にはショウブやクサギ、ツユクサ、秋にはヒガンバナなどを楽しめるようです。 そもそも地名の由来にもなっている"矢川"は用水路のような小さな川で、近くの矢川弁財天付近の湧き水が矢川緑地に入り、府中用水の分流である谷保分水に合流するまで、長さおよそ1.3kmほどの短い距離ですが住宅地の間を流れていきます。
土日でも静かに過ごせる多摩の尾瀬
矢川が入リこみ、水が豊富な湿地には短いものの木製のデッキが架けられ、さながら尾瀬のようです。水の中でカルガモが泳ぎながら餌を取っていました。 そして緑地内には所々の木に下の写真のように木の名前と役割や、人との関わりが記載されていて勉強になります。 湿地部分以外も魅力があります、草が生い茂る雑木林を歩いて少し疲れたら腰を下ろすベンチもあります。ムサシアブミの群落があり、花は咲いていないものの大きめの葉が茂っていました。 ニリンソウとムラサキナバナ、キツネノボタンが咲くのを見たり。また、散策路の横ではクサノオウの黄色が広がっていました。 また緑地内にはサンクチュアリがあり、お馴染みのカラスやキジバト、ムクドリがあちこちを歩き回り、シジュウカラやエナガ、コゲラの声を聞きました。また、ちょうど群れで餌を採りにやってきたオナガの姿を見ることができました。 矢川緑地保全地域は、決して広くはなく、歩き足りないと思う人もいるかもしれませんが、遠出しなくても水辺特有の清涼感と、湿地の植物や生き物を観察できる貴重な場所でゆったりお散歩することができる魅力的な場所だと思いました。近くの方はぜひ行ってみて下さい。
杉田磨弥