【プレミア12】「ロッテは本当にこれでいいんですか?」台湾で上がった〝佐々木朗希MLB挑戦〟への違和感
その旅立ちを台湾も注目していた――。今オフにポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦するロッテ・佐々木朗希投手(23)が、17日にZOZOマリンスタジアムで行われたファンフェスタに参加。直接ファンに感謝の思いを伝え「アメリカで頑張ってきます」と、惜別のあいさつで区切りをつけた。 世界的プロスペクトである佐々木のMLB挑戦は侍ジャパンが奮闘する「プレミア12」の開催地・台湾でも大きな関心事の一つだ。かねて野球への熱は高く、多くの地元メディアがオープニングラウンドの取材に訪れ、詳報している。 B組全勝対決となった16日の日本―台湾戦(台北ドーム)では、複数の大手台湾メディアが「ロッテは本当にこれでいいんですか?」と日本の報道陣に質問。早期のポスティング容認に違和感を覚えたようだ。 本来であれば、総額2億ドル(約309億円)以上の市場価値があるとされる佐々木。MLBでは、25歳未満の海外選手はマイナー契約しか結べないというルールがあるため、ロッテへの譲渡金は多くても3億円程度となる見込みだ。 昨オフ、3年連続でNPB「投手4冠」を引っ提げて25歳で海を渡ったドジャース・山本由伸のポスティング移籍に伴い、オリックスに支払われた譲渡金は5062万5000ドル(約78億円)。佐々木は今季初めて2桁勝利を挙げたが、日本で一度も規定投球回をクリアできなかった。「実績、貢献度、ファンを含めた世論の後押し、球団への恩返しが足りないのではないでしょうか…」。ロッテの決断に首をかしげる台湾メディアは少なくなかった。 一方でこんな意見もあった。「今大会も参加している戸郷投手は、球団への貢献が素晴らしいですね。彼のような選手がポスティングで快く送り出される選手なんだろうと思います」(台湾紙記者)。巨人のエース・戸郷翔征投手(24)は高卒2年目から主戦となり、3年目から規定投球回を毎年クリア、4年目から3年連続で12勝以上をマークした。野球熱が高い台湾ゆえに、まさしく歯に衣着せぬ物言いだった。
東スポWEB