ロス五輪目指す日本代表・大岩監督 メダル獲得へキーワードは「継続と一貫」
28年ロサンゼルス五輪出場を目指すサッカー男子日本代表を指揮する大岩剛監督(52)が13日、東京都内で会見に臨んだ。8強入りした今夏のパリ五輪から続投。目標とするメダル獲得はもちろん、日本サッカー界のために育成を重要テーマとし、キーワードに「継続と一貫」を掲げた。新体制は来年6、7月ごろに始動する。 パリ五輪準々決勝スペイン戦に敗れたリヨンの夜から133日。新たな目的地ロサンゼルスへ向けた旅の始まりに向け、大岩監督が覚悟をにじませた。 「パリ五輪で進むことができなかったファイナルを、ロス五輪で明確な基準、目的としてチームをつくり上げたい。メダルに向けた期待を成績に反映できる準備をしたい」 23歳以下の年齢制限が設けられた92年バルセロナ五輪以降、2大会連続で五輪の指揮をすれば日本初。異例となった再任には、勝利と育成の両立を託された背景がある。 パリ五輪では、MF久保ら世代の中心選手をクラブ事情で招集できず、オーバーエージ枠も不在の中でベスト8進出に導いた。候補合宿も含め招集した全87選手のうち細谷、藤田ら13人をA代表に送り出すなど育成手腕も発揮。同席した日本協会の宮本恒靖会長は続投オファーの経緯を「若い世代の突き上げが必要。メダルを目指すとともに少しでも早く、A代表に食い込んでもらいたい。総合的に判断し、再度お願いした」と説明した。 勝ちながら育てるという究極の両立へ、大岩監督は「継続と一貫を大きなキーワードにしたい」と掲げた。第1次政権では、高校生から大学生、世代別代表に縁がなかった当時無名の選手も招集。今回も「いろんなカテゴリーの選手を把握する。パリ五輪の時は(招集全)87人だったが、それを100、110、120人にしていく」と幅広い招集を継続する。活動中では常々「A代表経由の五輪。五輪経由のA代表じゃない」と訓示し、一貫して「A代表基準」を選手に求めてきた。「選手の個人昇格、A代表に向けての成長が重要」と改めて語った。 今夏は日本に勝利したスペインが金メダルを獲得した。「わずかな差がたくさんあり、それが大きな差になった。その差をどう埋めていくか。経験を伝えながら乗り越えていけるようなグループにする」。大岩監督と新世代の選手による新たな4年間が始まる。