中国SF「三体」実写化に恐怖心も…「GOT」スタッフ再集結で挑むNetflix版「間違っていなかったと証明できる」
そんな困難を乗り越えたのが「GOT」のクリエイターだった。ワイスは、かつて壮大なファンタジー世界を生み出したメンバーを「三体」に集結させた。「多くのキャラクターや、様々なロケ地が必要です。スケールの大きな作品なので、デザインや視覚効果も作品を左右します」とワイス。プロダクションデザインのデボラ・ライリーや監督のジェレミー・ポデスワ、撮影のジョナサン・フリーマン、視覚効果のイメージ・エンジン社ほか、クレジットには「GOT」からの続投組が名を連ねている。「多くの経験を持ち、一緒に仕事をやってきた人たちと素晴らしい仕事ができました。制作総指揮としてバーナデッテ・コールフィールドも駆けつけて、プロジェクト全体を進めてくれたことも大きかったですね」とメンバーを称えた。
原作小説へのリスペクト
社会現象を巻き起こした「GOT」も記憶に新しい中、世界的ベストセラーのドラマ化に挑んだベニオフとワイス。作品づくりでもっとも大切にしていることをたずねると、ベニオフは全体のバランスだと答えた。「素晴らしいストーリーはもちろん、キャストや現場で裁量を下す監督、セットや衣装、視覚効果も重要です。全てが等しく大切で、どれが一番ということはないんです」というベニオフだが、あえてひとつあげるならと前置きして、原作者の名前をあげた。「ドラマ化が発表された時、世界中の人々からあの小説をどうやってドラマ化するんですかという声が多く寄せられました。そういう意味で、私たちが今回もっとも大切にしたのが劉慈欣氏です。何よりも彼の小説を尊重し『三体』を作ったのですから」 原作に感銘を受けドラマ化を決めたベニオフだが、製作にあたり恐怖心もあったという。「本当に自分たちにこの作品が作れるのか、正直なところ怖い気持ちもありました。不安を感じながら、そのことで逆に鼓舞されたのも事実です。あれから5年が経ったいま、当時の決断は間違っていなかったと証明できる作品になったと自負しています。『三体』を世界に配信することに私たちはワクワクしているんです」