フォルクスワーゲンで警告ストライキ、独国内工場の閉鎖方針に労組「越えてはならない一線」
【ロンドン=中西梓】独フォルクスワーゲン(VW)の労働組合は2日、短時間の警告ストライキを実施した。経営陣が検討する独国内工場の閉鎖に反対するためで、VWでの大規模なストは2018年以来、6年ぶりとなる。
所属する労組が異なる1工場を除く全工場で、従業員は作業を中断して集会を開いたり、早退したりした。従業員で構成する労働評議会のダニエラ・カバロ代表は「工場閉鎖、大量解雇、賃下げは越えてはならない一線で、受け入れない」とする声明を出した。
VWの労使はストを回避する協定を結んでいたが、期限は今年11月末までだった。次回の労使交渉は12月9日の予定で、交渉がまとまらなければ無期限ストに発展する可能性もある。
VW経営陣は9月、創業以来初となる独国内工場の閉鎖を検討すると発表した。労組側は11月下旬の交渉で、昇給の保留などで15億ユーロ(約2400億円)を削減し、工場閉鎖を回避する対案を示したが、経営陣は受け入れなかった。