【体操】〝新リーダー〟村上茉愛氏に期待される五輪表彰台への手腕
〝新リーダー〟への期待値は――。日本体操協会の体操女子強化本部長に就任した村上茉愛氏(28)が11日、「選手の自主性を引き出していきたい」と意欲を示した。 【写真】村上茉愛 東京五輪「床」で快挙の銅メダル 〝ゴムまり娘〟の愛称で親しまれた村上氏は、2017年世界選手権種目別床運動で金メダルを手にすると、同種目で21年東京五輪は銅メダル、同年の世界選手権で金メダルを獲得するなど日本のエースとして活躍した。ある体操関係者は「努力でメダルを引き寄せることができる子だった。多くの選手は五輪や世界選手権に出られたらいいなみたいな感じだったけど、茉愛は違った。メダルを取れると思ってやっていた」と振り返る。 現役時代の村上氏は東京五輪前に「メダルはもらえるだけもらいたい」と話すなど、誰よりもどん欲に強い気持ちで体操に取り組んできた。同関係者は「すごいしっかりしていて、よく体操のことを考えている。選手時代も『ここが悪かったからこんなふうに改善したい』みたいな感じで、課題を明確に話すことができていたので、指導者としてもやっぱり楽しみだし、若返りのタイミングとしてもいいと思う。自分からやりたいという意思を示したのも面白いよね」と太鼓判を押した。 女子団体は1964年東京五輪と66年世界選手権の銅メダル以降、半世紀以上も表彰台から遠ざかっている。パリ五輪では8位だったが、村上氏は十分にチャンスがあると強気だ。「団体のメダルを最優先で考えるチームになっていかないといけない。みんなが同じ方向を向けば取れる」。日本体操界のヒロインが、指導者として代表強化においてどんな手腕を見せるのか楽しみだ。
中西崇太