【小倉記念】内前を立ち回れる先行馬が中心 京大競馬研の本命はシリウスコルト
ペースが落ち着きやすいコース形態
8月11日(日)に小倉記念(GⅢ)が行われる。今年は阪神競馬場の改修工事の影響で関西圏が変則開催。小倉記念が中京の開幕週で施行されるという少々ややこしいことになった。施行条件にはくれぐれもご注意いただきたい。メンバー的には例年通りこのレースから始動して秋の大舞台に羽ばたこうとする馬が多く集まり、ハンデ差含めて横の比較がかなり難しい大混戦模様だ。 【関屋記念2024 推奨馬】持ちタイムはメンバー最速タイ、マイルは安定感◎! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 以下では、本レースが行われる中京芝2000mのコース形態とそれに起因するレース質、そして想定される展開を踏まえ予想する。 まず中京芝2000mのコース形態をみる。スタート地点はスタンド前中央から左側の上り坂途中。初角までの距離は約310m。そこからコースを一周する。1~2コーナーは緩やかな上りで向正面半ばまで坂が続き、その後3~4コーナーから最後の直線途中までは下り坂。4コーナーはスパイラルカーブとなっている。最後の直線は412.5m。ゴール手前340m地点から240m地点にかけては、中山競馬場芝コースに次ぐ傾斜で高低差2.0mの急な上り坂。ラスト240mはほぼ平坦というレイアウトだ。 まず注目すべきは発走地点が上り坂になっている点と、初角までの距離がそこまで長くない点だ。スタート直後から上り坂でテンのダッシュが付きにくいことに加えて、初角までの距離が長くないため、登り切った後の先手争いも長引きにくい。またその後も向正面半ばまで緩やかな上り坂のため前半のペースは落ち着きやすい。 しかし向正面半ばで緩やかな上り坂を登りきるとそこからは最後の直線まで下り坂になり、前半のスローペースで脚を溜めた先行勢が一気に加速していく。直線に入るまでに後方勢が先行勢とのポジション差を埋めにくい。加えて4コーナーはスパイラルカーブとなっていて、スピードをつけて回ると外に振られやすくなっている。膨れた先行勢のさらに外々を回す後方勢はまず1着まで届かない。最後の直線も半ばで急な上り坂があり、それを登り切った後も平坦な直線が続くタフなコース形態で、全馬終盤の脚色は鈍り、上がりに差が生まれにくい。したがって序盤、中盤で前に位置を取り、出来るだけラチ沿いを走ることができる器用な先行馬が恵まれやすい。というのがこのコースが持つレース質だ。 この傾向は数字からも明らかだ。過去10年、中京芝2000m3勝クラス以上のレースにおける4角4番手以内馬の成績は【34-33-27-187】勝率12.1%、連対率23.8%、複勝率33.5%、単勝回収率199%、複勝回収率125%と非常に優秀だ。今回は開幕週でもあり、この傾向を強めることになる。 続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が5頭と、出走馬全12頭に対して多い。しかし徹底して先行する馬はテーオーシリウスのみ。他は熾烈な先手争いをするような馬ではなく、場合によっては控えて中団を追走するタイプである。スタート後からテーオーシリウスに積極的に競っていける馬はいない。そのため序盤、中盤はテーオーシリウスの楽逃げで、その他先行勢はこれよりやや後ろを追走する形になるだろう。楽逃げとはいえテーオーシリウスはそこまでペースを緩めるタイプではなく、馬群はある程度縦長の状態で進行していく可能性が高い。 この場合もコースが持つレース質通り、やはり恵まれるのは序盤、中盤で前に位置を取り、ラチ沿いを走ることができる器用な先行馬だ。出走馬同士の並びと先行力を見極めて印を打っていく。