【NBA】かつて『ラプターズの秘密兵器』だったクリスチャン・コロコがレイカーズと契約、血栓症を克服して貴重な戦力となれるか
スキルは粗削りだが将来性の高いリムプロテクター
24歳のクリスチャン・コロコがレイカーズと契約に合意した。まだ公式発表はされていないが、『The Athletic』によればレイカーズはすでに3人いる2ウェイ契約選手の誰かを解雇してコロコを加える見込みだという。 2022年の2巡目33位指名でラプターズに加わったコロコは、ルーキーシーズンに58試合に出場している。2巡目指名のルーキーがすぐさまローテーションに加わる例はそう多くないが、ラプターズにとってコロコはパスカル・シアカムと同じカメルーンのドゥアラ出身で、そのポテンシャルに確信を持っての指名だった。スキルは粗削りだがリムプロテクト能力が高く、なおかつオフェンスでは器用ではないもののスクリーンが上手く、ペイントエリアを塞ぐタイプでもないので当時のニック・ナースが志向したフロアバランス重視のバスケに対応できた。長身センター不在のチームのディフェンス強化に必要とされ、限られた時間ではあってもコンスタントに出場機会を得た。 だが、そのコロコは2年目の昨シーズンを全休している。これは血栓症が見つかり、リーグの規定で完治した診断を受けるまでは、試合出場はおろか練習にも参加できなくなったからだ。そして1月、ラプターズはシアカムを3選手とトレードする際にロスター枠を空ける必要に迫られ、復帰の目途が立たないコロコを解雇することに。同郷の先輩がトレードされると同時に自分も解雇と、コロコにとっては不運が重なったが、これはラプターズにとっても苦渋の決断だった。マサイ・ウジリ球団社長は「我々はコロコの可能性を本当に信じていた。チームの将来を担う存在だと考えていたが、こうするしかなかった」と苦しい胸のうちを語っている。 まずは血栓症が完治したとの診断が得られなければコートへの復帰は果たせないが、そうなればコロコはレイカーズにとって思いがけない掘り出し物になる可能性がある。レイカーズの先発センターはアンソニー・デイビスだが、控えのクリスチャン・ウッドは左膝を手術したばかり。半年前に続く2度目の手術で、11月の復帰が見込まれているものの、どこまで稼働できるか微妙なところ。 ウッドだけでなくジャクソン・ヘイズ、キャム・レディッシュと昨シーズンに信頼を勝ち取りきれなかった選手が揃ってプレーヤーオプションを行使したことで、レイカーズはロスター枠に空きがない。それでも選手層を厚くしなければ、ベテランのレブロン・ジェームズやデイビスが勝負どころで潰れることになりかねない。 昨シーズンが失敗に終わったにもかかわらずロスターに表立った変化のないレイカーズのチーム作りは決して高く評価できるものではないが、コロコが健康問題をクリアしてローテーションに加わることになれば、チームを支える重要な戦力になり得る。