「これぞ、すき焼きの新境地」という体験をさせてくれる〈すき焼き あさい〉!
すき焼きは、京都で発祥した日本の牛肉文化のひとつ。割り下が和牛にからんで、美味しさが何倍にもなるけれど、自分で焼くとなると、なかなか難しい。2024年3月1日、虎ノ門にオープンした〈すき焼き あさい〉なら、カウンターの向かいに立った仲居がすべて仕上げてくれるので、そんな心配もご無用。“おまかせすき焼きコース”(2万900円、要予約)では、季節変わりの前菜が3品ほど提供された後に、すき焼き、白米と赤だし、デザート2品が味わえる。
料理長に就任したのは、リゾートホテルなど国内外の和食店で研鑽を積んできた、廣瀬和也さん。『ミシュランガイド』2つ星の西麻布〈臼杵ふぐ 山田屋〉には12年間在籍し、二番手としてメニューを開発したり、調理現場のオペレーションを改善した人物。女将の篠﨑由美さんは、2016年に惜しまれながらも閉店した『ミシュランガイド』1つ星のすき焼き店〈よしはし〉に、仲居として6年間在籍。客あしらいから焼きまで、安定した高い接客術を持つ。
〈すき焼き あさい〉のすき焼きは、素材のこだわりが半端ない。主役の黒毛和牛は、精肉のプロフェッショナル新保吉伸さんが率いる〈サカエヤ〉の近江牛。〈サカエヤ〉は食通や肉好きから圧倒的な支持を得ている滋賀県の精肉店で、すき焼き店に卸すのは〈すき焼き あさい〉が初めて。
卵は三重県にある〈コケコッコー共和国〉で、自然交配で採卵される有精卵。親鶏のストレスが少ないから、良質な卵が産まれる。ほかにも、“京の地豆腐”で知られる京都府の〈久在屋〉の豆腐、豊洲市場の青果・丸越から仕入れた千住葱、北海道からは“アスパラ名人”と称される長谷川博紀さんの〈ジェットファーム〉のアスパラガスや〈とかち井上農場〉の井上慎也さんが手掛ける2年熟成の高糖度のジャガイモ、1910年創業の奈良県にある〈松音商会〉の特製白滝と、珠玉の素材が目白押し。割り下は濃口醤油、日本酒、砂糖、水を合わせ、冷蔵庫で最低一週間寝かせるから、塩味の角が取れてまろやかな味わいとなる。