カワサキの最新ネオクラシック「メグロ/W230」手軽に乗れる軽二輪モデルで当時の鼓動とスタイルを再現
なお、ライディングポジションは、ワイドだけれど絶妙な幅のバーハンドルなどにより、上体があまり前傾せず、自然な姿勢で乗ることができる。また、前後に長いシートは、着座位置に自由度があり、筆者のような小柄なライダーから身長が高い人まで、幅広いライダーが窮屈にならずに好みのポジションを取れるといえるだろう。 ■エンジンの鼓動感や排気サウンド エンジンを始動させると、空冷シングルらしい低く乾いた排気サウンドを楽しめる。カワサキの開発者によれば、メグロS1とW230は、「マフラーの排気音も相当にこだわった」という話だった。
とくに音質は、1960年代の250ccモデル「メグロ・ジュニアS8」の現車を旧車ファンのオーナーから借りて、徹底的に研究したそうだ。しかも、昔のバイク用マフラーと違い、排気ガスや音量など、現代のよりきびしい規制値をクリアする必要もある。そのため、開発者は「幾度となくテストを繰り返し、試作品の数は30をゆうに超えた」と語る。 その効果もあってか、メグロS1とW230の排気サウンドは、当然ながら昔のバイクほどの大音量でこそないが、心地よさという面ではかなり良好。これらモデルの魅力のうちでも、とくに大きなポイントとなっているといえるだろう。
そして、実際の走り。アクセルを軽くひねりながらクラッチレバーをミートすると、スルスルと軽快に車体が走り出してくれる。とくに両モデルのエンジンは、低回転域からかなりトルクフル。パワーユニット自体は、オフロードモデルの「KLX230」シリーズと共通だが、より低い回転からトルクが出るため、信号待ちからの発進でも流れを十分にリードすることが可能だ。 ■全域で気持ちよくまわるエンジン また、シングルエンジン特有といえる、高回転までまわすと頭打ちする感覚がなく、全域でスムーズに吹け上がる感じだったことにも驚いた。あくまで、筆者の経験上での感覚だが、単気筒エンジンは、あまり高回転までまわさず、加速する際は早めにシフトアップしたほうが心地よく走れることが多い。