カワサキの最新ネオクラシック「メグロ/W230」手軽に乗れる軽二輪モデルで当時の鼓動とスタイルを再現
そうした装備の違いからか、価格(税込み)は、W230が64万3500円なのに対し、メグロS1は72万500円と7万7000円高い設定だ。つまり、メグロS1は、よりクオリティを高めた仕様ということになる。一方、W230には、パールアイボリー×エボニーやメタリックオーシャンブルー×エボニーという、お洒落なボディカラーを採用。よりフレンドリーな印象の車体色などは、女性ライダーにも人気が出そうな印象さえある。
■メグロS1とW230の歴史的背景 ちなみに両モデルは、カワサキの伝統などを受け継ぐブランドに属することは前述のとおりだが、具体的にそれぞれのエピソードについても少し紹介しよう。 まず、メグロS1のブランドであるメグロ。これは、かつて存在した2輪車メーカー「目黒製作所」の名称を受け継ぐブランドだ。 1924年に創業した目黒製作所は、第2次世界大戦前から戦後直後にかけて、数多くの高性能モデルをリリースし、一世を風靡した企業。とくに500ccや650ccなどの大排気量モデルに定評があったのだが、1950年代後半以降、小排気量モデルの人気上昇に対応できず、業績が悪化。1964年にはカワサキ(当時の川崎航空機工業)に吸収合併された。
そして、今回発表されたメグロS1は、合併後の1964年に発売された「250メグロSG」をオマージュしたバイク。カワサキも、このモデルを「正統な後継車」と発表しているから、まさに昭和のモデルを復刻させた最新のオートバイがメグロS1だといえる。 ちなみに、カワサキは、以前から773cc・空冷2気筒エンジンを搭載する「メグロK3」を販売している。そのため、メグロS1は、その弟分で、メグロ・シリーズに属する軽二輪タイプという位置付けとなる。
■カワサキW1の系譜となるW230 一方、W230は、カワサキが1966年に発売した「650-W1」、通称「W1(ダブワン)」の車名を冠したモデルの系譜となる。624cc・並列2気筒、バーチカルツインの愛称を持つエンジンを搭載したこのモデルは、当時のバイクとしてはかなり高性能だったこともあり世界的に大ヒットを記録。「大排気量の高性能モデル」という、のちに続くカワサキ製オートバイのイメージを生み出した名車だといえる。