『ウニがいない』漁が始まるも頭を抱える漁師 「120~130人前が 今年は60人前くらい」例年の半分以下 全国から客がくる行列のできる店も不安に 異変のワケはコンブ? 北海道積丹町
現在の状況と試行錯誤
しかし今は。 「ぶっかけ丼は去年は1回しかできなかった。名物だからどこかで1回やりたいとは思っている」(田村さん) 店では現在、「生うに丼」は時価で販売されている。 4年前は1杯4,000円だったのが、取材したこの日は倍の8,000円。 こうした不漁の中でも、田村さんにはこだわりがある。 「コンブのいない所にいるウニは取らない。実入りが良くない」(田村さん) 漁獲量も減りウニ自体の実入りも少ない今シーズン。 田村さんが原因の1つとして考えているのが、ウニのエサとなるコンブだ。 「コンブの中にバフンウニがいるが、今年はそのコンブが少ない。コンブがたくさん生えている場所のウニを取りたい。それが積丹のウニの味の良さにつながる。見えているウニをただ取ればいいということではない」(田村さん)
温暖化の影響か
なぜコンブが減っているのだろうか。 水産関係者が原因と指摘するのが海水温だ。 ここ50年間、日本海では海水の温度の上昇が続き、ウニを取り巻く環境に悪い影響を与えていると考えられている。 「コンブを食べるので北海道のウニはおいしいが、冬の水温が高いと海藻が生えにくくなる」(北海道大学大学院水産科学研究院 浦和寛准教授) 北海道大学大学院でウニを研究する浦和寛准教授によると、海水温の上昇は特に冷たい水を好むエゾバフンウニの命を脅かすという。 「限界がある。やはり動物なので。住みやすい環境に移動をすることは考えられる」(浦教授) 「育てる漁業も今後はやっていかなければという気はしている。海を育てて行かなければ大変になるかもしれない」(田村さん) 温暖化によるとみられる海の異変。 北海道のウニを守る試行錯誤が続く。
北海道文化放送
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