株取引を始めて1年、売買のタイミングを迷うことが多々あります。友人に「そういう時は“格言”が意外と役に立つ」と言われたのですが、どういう意味ですか?
株式の売買など資産運用に際して、先人たちの残した相場の「格言」には、それぞれ含蓄があり、投資判断に役に立つかもしれません。実際の売買時に迷いが生じたとき、関係する格言を思い出し、その場に合わせた行動のヒントになるかと思います。ただし、中には格言の趣旨が反対となるものもあることも、申し添えておきます。 以下、具体的な格言を挙げ、その内容の意味を説明しましょう。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
(1) 「株を買うより、時を買え」
投資をする具体的対象を決めるよりも、投資を始める時期こそが大切、という考え方です。何の株を買いたいのかに目を奪われ、懸命に銘柄を物色するよりも、いまが投資をするのに適した時期なのか、の情勢判断することが重要だと説きます。 現在の経済環境や海外情勢を意識し、投資を始めるのに適した時期にあるかを、まず考えましょう。何を買うべきかの判断はその後にすればいい、という教えです。
(2) 「もうはまだなり、まだはもうなり」
相場が上昇基調にあるため「まだ上がる」と思い込み持ち続けても、その時はすでに「もう売る」時期だったかもしれません。逆に、相場が下落基調にあり、いまが底だと思い「もう買おう」と考えたとしても、「まだ下がり続ける」ことが多いという教えです。 相場の流れを判断できずに、売り時、買い時を間違えてしまうことへの戒めです。
(3) 「人の行く 裏に道あり 花の山」
多くの人が集まるにぎやかな大通りよりも、あまり人が行かない小さな裏道にこそ、お宝が埋まっているかもしれない、というたとえです。資産運用に際して、多くの人と同じ行動をとっていたのでは、多額の利益を得ることはできない、という意味にもつながります。 ただし、多くの人と異なった行動をとるリスクもあり、逆に1人だけ損失を被る可能性もあるので、注意が必要です。
(4) 「天井3日、底100日」
相場は徐々に上昇した後で、短期間に急上昇する傾向があると考えます。しかし、この天井となる期間はあまり長くはないため、決して欲を出してはいけません。売るに適した期間は非常に短いと説きます。まだ上がると思案しているうちに、下落が始まってしまいます。逆に、下落基調が始まり、その底が見えてくると、底は非常に長い期間続き、すぐに反転上昇はしてこない、という教えです。