ソフトバンク編成育成本部長が見た好素材「年々ピッチング上手に」という福岡出身右腕など「鍛えたら良くなるだろうなという選手多い」【選抜高校野球】
第96回選抜高校野球大会は、25日で1回戦が終わり、出場32校すべてが登場した。今大会の1回戦を通してネット裏で視察したソフトバンク・永井智浩編成育成本部長兼スカウト部部長に、目立った逸材や光る好素材の選手を挙げてもらった。(聞き手・喜瀬雅則) ■九州勢はここまで3勝【選抜組み合わせと結果】 ―まずは開幕戦で登場した八戸学院光星(青森)の左腕・洗平比呂投手の評価からお願いします。 「洗平投手は特に腕の振りがいいですね、柔らかくて。少しテークバックが背中側に入るんですけど(左腕の出方が)遅れることなく投げられているので、変化球もしっかりとコントロールできていますね。もっと体を鍛えて、球のボリュームが出てきたら、面白いんじゃないですか。大きい割には、バランスがいいですね」 ―2日目には注目のスラッガー、豊川(愛知)のモイセエフ・ニキータ外野手が登場。低反発バットながら、大会第1号も放ちました。 「僕は結構いい素材だと思いましたね。ホームランを打つ前まで、ちょっといいところがなかったけど、ボールにコンタクトする能力があるから、ちょっと振ってしまうゾーンが広いんです。かつてのイチローさんとか、うちでいうなら牧原大成とか、センスがあるがゆえに、ちょっと振ったらあかん、というボールまで振っても当たるんですよね。それだけコンタクト能力が高い。体もまだまだ大きくなるでしょうし、ご両親もロシア出身ですよね? ウチの球団としては、こうなってくると世界を〝コンプリート〟してみたいです(笑)」 ―大阪桐蔭のラマル・ギービン・ラタナヤケ内野手も両親がスリランカ人です。 「1回戦ではあまりいいところがなかったけど、やっぱり楽しみな選手ですよね。モイセエフ君がロシアだから、アジアの選手にも行きたい(笑)。それはともかくとして、背番号5をつけているけどファーストで出て、ちょいちょいミス(1失策)をして、やっぱりあの辺りなんでしょう。売りは打撃ですし、きっちりサードを守れるようになってきたら、また評価が変わってくるでしょうね」 ―こうした選手に注目しているのも、ソフトバンクの世界戦略の一環ですね(笑)。モイセエフ選手と対戦した阿南光(徳島)の右腕・吉岡暖投手は、豊川戦で11奪三振で完投勝利を挙げています。 「吉岡君は変化球がいいですね。それこそ、ピッチングがしっかりとできるんで、これから球が速くなってきたら、さらに面白いですね」